天地明察

主人公安井算哲は将軍に囲碁を教える家柄に生まれ囲碁を教えていましたが、趣味は幼い時から星の観察と算術で問題を解くこと。夢中になったら周りの声も聞こえず夢中になって取り組むタイプです。

ある日、日本各地の北極星の高度を測る旅を命じられ1年という長い歳月をかけ測定します。それも方向と歩幅で距離を測り最初に算術で理論値で導き出し、実測で検証するというやり方で・・・1年の旅の予定でしたが実際は1年半かかってその作業を終えます。

その経験を経て日本の暦の不確かさを確信します。暦といわれるものはその時代3種類あり、3年かけて実測し、そのうちの1つが正しいと導き出します。

ところが、正しいはずの暦がたまに狂うのです。99.9%合っているのに何故?と挫折します。才人の助けを借りながらもその謎が地球の傾きに起因するものであると発見し、新しい正確な暦を作ります。1回失敗しているので、命がけです。朝廷の妨げや偉人達の協力も織り込まれています。

算哲は何かに夢中になるとそればかりやっていますから、女性との縁もなくうまく接することができない不器用な男性です。でも、えんという妻との不器用な恋愛も描かれています。なかなかほんのりして、よい映画でした。やはり、何かに一所懸命打ち込む姿というのはいいですね。多くの時間をかけ失敗を繰り返し、挫折しながらもまた立ち向かっていく。そういう直向きな謙虚さが大きな功績を生むのですね。