宝島

お正月の課題図書は「宝島」です。この本はハードカバーで541ページあるのでなかなか読み応えあります。直木賞と山田風太郎賞のW受賞をしている本なので是非長期休暇の時にと思って以前買っていました。宝島というとワクワクする冒険小説なのかと思いましたがそうではありません。沖縄の歴史的物語。そこに書かれていたのは沖縄返還前後約15年間の歴史です。中心人物ははじめは子供でしたがそれぞれ色々な大人になっていきます。そこには沖縄人(うちなんちゅ)の逞しさや切なさ何とも言えない悲壮感まで漂っています。

お正月に読むにはかなり重い、でもよくよく考えればお正月だからこそ読むべき本なのかもしれません。色々考えさせられる本でした。主人公の1人にヤマコという女の子が出てきます。私が女性だからかこの本を読んでいるうちに次第にヤマコに感情移入していきました。どこかでヤマコ頑張れ!と叫んでいる自分がいました。この本の中の少年少女は過酷な環境の中でも決して人生を諦めず、強く逞しく生きていきます。それは大人になっても変わらず熱い想いを持って生きています。

物のない時代、沖縄の米軍基地から物資を盗み出す戦果アギヤーの少年少女の物語です。この本を読めば己の不幸は大したことないと思えると思います。それだけ壮大でエネルギーのある本だからです。本って凄いですね。こんなに小さな物質の中にこんなに壮大がエネルギーがつまっています。今年も本を読みます。この本はお勧めです。