何だかとっても難しい

先日のブログで東京税理士会(本会)の調査研究部に所属した旨をお話したと思います。今、調査研究部では再来年(令和5年度)に向けた税制改正要望書を作成しています。これがまた難しいです。私は東京税理士会豊島支部の法対策部にも所属していますが、支部レベルではこうしてほしい!ああしてほしい!というレベルの要望で事は足ります。

ところが調査研究部にそれがあがると、改正課題について、1つの事を改正するとした場合、それに対して、国レベルでどうなのか?課税の公平の見地から適切か?それが実行された場合、どのくらいの増税額(または減税額)になるか?法律のどの部分を変えるか?など緻密な資料が必要になります。

一つの要望はたった4~5行ですが、その裏付けは膨大な資料によります。従前の要望を検討した上で新しく要望するのは1つが限界というところで、思い付きや独りよがりでは通りません。私は医療法人の顧問先が多いのでどうしても医療法人目線になりがちですが、国家全体でみてどうか?を常に考えなければ要望すら通らないのです。法律を変えるのはとんでもない作業なのですね。

調査研究部

今年から東京税理士会(本会)の調査研究部で活動しています。調査研究部ではもう令和5年度の税制改正要望についての検討が行われています。それぞれの部員が①法人税②所得税③消費税④相続・贈与税⑤地方税⑥納税環境整備の班に分かれて検討します。どの班になりたいかは挙手で、1つに手を挙げてもいいし、複数挙げてもいい。ただし、所属するのは1人1か所です。

今税制は過渡期なので、私としては新しい税務を研究したいという思いから、インボイス制度が始まりそうな③消費税と、相続贈与の一体課税が始まりそうな④相続・贈与税とデジタル庁の発足により大幅に手続きが変わりそうな⑥納税環境整備に手を挙げました。一つしか手を挙げない先生はそれが優先されるので私はちょっと欲張りすぎました。それで消費税は立候補者が少なかったので③消費税になりました。

そこで知りました。東京税理士会は過去においても現在までもインボイス制度には反対しているから令和5年度までは反対の立場で行くということでした。もう、ほぼインボイス制度は始まるのでインボイスの研究ができるかと思っていましたが消費税に挙手してしまって後悔しています。私もインボイス制度には反対ですが、でも反対できる環境でも無くなってきているのでそれなら、インボイス制度の問題点をどう変えていくかということを検討したかったのですが、反対という立場になるとそこも検討できません、ちょっと残念です。

資格に伴う法律

国家資格はそれに伴う法律が存在します。それが何とも古臭いです。だからお堅い仕事と言われるのだと思いますが、やってはいけないことが多すぎます。例えば税理士でいうと2か所事務所の禁止。事務所を持つ税理士が税理士独占業務を事務所以外の場所でやってはいけないのです。在宅ワークが普通になっている今どうなんでしょう?という法律です。

ですから税理士法の改正も今検討しています。私見ですが、試験を受けるのに学力基準は必要ないと思います。税理士試験を受けるには大学の経済学部もしくは法学部で2年以上学んだ人、もしくは日商簿記1級以上でないと受けることができませんが、実力がある人は何歳でも中卒でも弁護士のように受けられるようにすればいいと思います。いつか、15歳で受かったとかいう人が現れてくれればそれはそれで税理士として良い宣伝になると思うからです。

行政書士はもっと古臭いです。なんと今どき3連複写の手書きの請求書・領収書を発行しなければならないというものです。しかもその3連複写の伝票は行政書士会から購入し、連番を振って、間違えた時には✖を付けて保管までしなければなりません。今どき手書きの請求書や領収書ってどうなんでしょう?昭和かよと思ってしまいます。パソコンなら1分でできる請求書も手書きなので10分くらいかかります。行政書士業務は元々薄利なのにどうなんだろうと思います。お堅い仕事でもよいかと思いますが、そのお堅さは堅実さであって、時代に合わないくらい古臭いのは考えものです。時代に則した改革が必要です。

ためになる資格

8月は国家試験が多い月です。税理士もですが、行政書士・社会保険労務士・公認会計士・不動産鑑定士・気象予報士・建築設計士・弁理士・美容師など。今は、コロナ以前よりも活動量が少ないのでこんな期間になにか資格の勉強をしても良いのかもしれません。

国家資格はある程度有名ですが、民間試験も多いですよね。何だか得体の知れない試験も多いですが、なかなか楽しそうな試験もあります。試験があるとその知識を自分がどのくらい得たのか客観的に分かるのが良いですね。

税理士試験は人生をかけた試験でしたが、今はもっとワクワクする試験勉強が良いです。趣味と実益を兼ねた試験が・・・コロナも長引きそうですし、皆さんもなにかいかがですか?私も少し考えたいと思います。

東京税理士会 調査研究部

私は東京税理士会豊島支部法対策部で活動して3期目(1期2年任期)に当たります。法対策部の活動は過去に何回かブログで紹介した通りです。今年度から縁あって、東京税理士会調査研究部の部員になりました。豊島支部法対策部は豊島支部の中で税理士法や税法を検討する会ですが、東京税理士会調査研究部は、東京税理士会に所属する支部全ての会員を対象にした会です。各支部でまとめた税制改正要望を調査研究部でまとめて、税理士会全体として要望書を提出する場所でもあります。実務家として意見をする機関でもあります。

先日会議があり参加しましたが、全部で21人、豊島支部は私だけです。席も決まっていて、机の上にはネームプレートが置いてありました。広い会場で21人が囲むように机が配置してありました。今回は各支部に税制改正要望についてのアンケートを出すたたき台の検討でしたが、支部会議より緊張しました。でも良い意味での緊張感であり、今後の展開が楽しみにもなりました。

調査研究部に入ったメリットは税理士として誰よりも情報が早くキャッチできる点です。法対策部でも豊島支部の中では情報が早くキャッチできましたが、それよりも調査研究部の方がさらに早く税制改正の内容がキャッチできます。また、優秀な先輩方の意見を聞いているだけでも勉強になります。でもできるだけ発言していきたいと思います。それが見当違いな発言でも、優秀な税理士から見たらそういう風に感じるのか(素人は・・・)とある意味気付きを与えられるからです。とりあえず1期(2年間)頑張ります。

業務内容の変化

税理士事務所の主な仕事は税務申告書の作成ですが、この1年はそれだけでなく、今までにあまりやっていなかった仕事もやっています。例えば、当事務所は行政書士事務所も併設していますが、行政書士事務所での定款変更認可申請(これは以前からやっていました)の他にも、内容証明郵便だったり、遺産分割協議書の作成、それから建設業認可申請、特定技能在留資格業務、時効援用通知書の作成など色々やりました。それと平成25年に経済産業省から経営革新等支援機関としての認定も受けていますので、様々な補助金や助成金、借入金のサポートも行いました。

会計事務所は6月から10月くらいまで暇な時期があります。通常年ですとこの時期にセミナー講師などをやるので、資料作りや準備そして講師業にエネルギーを使うのですが、昨年からセミナー講師業も無くなりました。そこで今年は下記に力を入れたいと思っています。
それは早期経営改善計画策定事業。詳しくはこちら↓
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/kaizen/souki.html

と経営改善計画策定事業(405K)です。詳しくはこちら↓
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/kaizen/405.html
必要とあれば是非ご用命ください。

今年の税理士試験

税理士試験は年1回ありますが、今年は8月17日、18日、19日です。毎年火曜日~木曜日というものは変わりませんが、私が受験していたころより最近では日程が遅くなっています。ところで税理士は税理士試験に受かっても登録しなければ業務を営むことができません。2年間以上の実務経験も必要だからです。今の税理士登録者数は79,404人(令和3年3月末日現在)でそのうち東京税理士会所属が23,597人。約3割くらいが東京税理士会に所属しています。

私も税理士登録をする時、東京税理士会で登録するか関東信越税理士会で登録するか迷いました。東京税理士会のメリットはどこにも行きやすいこと。地方に行くにも新幹線や飛行機が充実しています。それから研修会場が近い事。税理士は登録しても実務研修を受けなければならないため九段下や中野に研修会場があって便利だったからです。関東信越税理士会は範囲が広い(茨城、栃木、群馬、埼玉、新潟、長野)ので研修が新潟などで行われることもあり研修という意味では不便だったこと。ただ、税理士国保が使えるというメリットがありました。税理士国保は医師国保と同じで毎月定額の保険料を支払えばよいのでその点が最大のメリットです。東京税理士会には税理士国保がありません。また、会費も関東信越税理士会(年75,600円その他支部会費あり)の方が東京税理士会(年81,000円その他支部会費あり豊島支部は36,000円なので合計117,000円)より安いです。

ですから経済的な事を考えると関東信越税理士会の方が得なのですが、研修や顧客訪問という観点から見ると東京税理士会の方がメリットがあって、私は実務メリットを取る事にして東京税理士会に所属したのです。税理士登録してもう20年経ちますが、研修も少しずつ変わってきて特にコロナ禍の昨年から大幅に変わって、WEB研修というものが受けられるようになりました。また、顧客との面談も半分以上がWEB面談になってきています。そう考えると、東京税理士会にいるメリットもさほどないのかなぁと漠然と思っています。

一時支援金

只今「一時支援金」という給付金が出ています。これは緊急事態宣言の影響(例えば外出を控えたことによる影響など)を受けて、今年1月から3月のうちいずれかの月で、前年もしくは前々年の同月よりも50%以上売り上げが減少した事業者に対して支払われる給付金で、法人なら60万円、個人事業なら30万円支給されるものです。中小法人等というと通常の助成金などは医療法人や一般社団法人などは対象にならないことも多いですが、外出自粛の影響を受けていれば医療法人や一般社団法人などでも対象になります。

これは国の委託を受けて莫大な委託料をもらって請け負っていますが、この制度は認定支援機関や士業が事前確認を行わないと申請できません。認定支援機関や各種士業(税理士や行政書士)は登録して事前確認機関になることができます。ところがこの委託料がなんと1件税込みで1,000円。しかも30件以上やらないと貰えないというものです。この登録資料を見た時びっくりしました。同業者は何かの間違いだろうと言いました。もう一人の同業者は1,000円じゃクレームが出るからそのうち上がるだろうということで登録しました。

私は士業だし認定支援機関なので登録できますが、こりゃたまらんということで登録するのを止めました。ただ、顧問先のために行政書士事務所で一緒にやっている行政書士に登録してもらっています。その行政書士が事前審査をしているのも見ましたが、何せメールなどで何度かやり取りして、予約して、面談して、事務局に報告してとちゃんとやっていると全部の時間合わせると1時間くらいかかります。それを1,000円とは・・・労働基準法だったら違反になる激安さです。国は安く使える外注先と思っているのでしょうか?ですから税理士や金融機関は取引先でないとやりませんし、行政書士や認定支援機関ははちゃんと料金を取るみたいです。価格は1万円~3万円というのが多かったです。多額の委託料を貰っているのに何で?と思わずにいられない制度です。しかも一時支援金のHPでは90%が無料です。と書いてありましたが無料というのは限定であって、その限定を外すとほとんど有料だと思います。なんだかなぁという出来事でした。

確定申告中

今、私の業界は繁忙期です。なぜなら確定申告中だからです。数年前から当事務所は全部電子申告しています。青色申告控除額が今年から電子申告と紙申告では差が出ます。電子申告では最高65万円できますが、紙申告ですと最高55万円です。電子申告が進まないので国は御褒美(今回は減額だから紙だとペナルティですね)を与える事にしたのです。10年前では考えられないことです。税理士はほぼ電子申告している感じです。ご自分で申告される方も青色申告の方は今年から電子申告をする人も多いのではないでしょうか?

電子申告100%だとかなり楽になったでしょ?と友人などに言われますが、逆ですね。紙申告の時は源泉徴収票などは全て貼り付けて提出して申告書には金額部分だけ入力でOKでした。医療費控除などをするお客様で中にはご丁寧にエクセルに集計して領収書を添付してくれる方もいらっしゃいます。ところが今は全て領収書を送らない代わりに全て申告書に入力しなければなりません。PDFやエクセル添付もできません。はっきり言って二度手間です。ふるさと納税が流行っていますが、中には何十万円もしている方もいて、これ1件1件入力しているとクラクラきます。

つまりデータ化して楽なのは税務署だけです。データ化すると分析するのも楽ですし、税務調査の対象者の洗い出しも楽です。税理士はちっとも楽になりません。紙申告の時より入力しなければならない資料が多く時間は倍以上かかるようになりました。今年は確定申告期間が1ヶ月伸びたのでましですが、3月15日までには到底間に合わない感じです。税務署側だけではなく、税理士側も楽できるように例えば添付書類は入力ではなくPDF添付やエクセル添付で行えないでしょうか?切望します。

CFP継続教育単位

CFPは取得したら2年毎に更新をするのですが、その2年間で継続教育単位を30単位以上取らないと継続できません。これはCFPとしての質を落とさないように研修を受けなければならないという制度です。(ちなみにAFPは15単位でいいのです)私はCFPのため2年間で30単位取得しなければなりません。取得してから毎回ちゃんと更新できていました。ところが昨年末更新時に30単位取れていないというピンチに陥りました。昨年はコロナ騒動以降ほとんどの研修が中止になったからです。それはそれでFP協会も分かっていたので、初めてですが特例として6箇月の延長の申請をしました。これで6月くらいまで延長できます。

その時はほっとしていたのですが、今現在においてもちゃんとした研修は相変わらず行われていません。これで果たして6月までに30単位取れるのでしょうか?ちょっとというかかなり不安です。WEB研修とかも対象になるようなので頑張ってはみますが・・・この1年で様々な制度が様変わりしています。

税理士業務も税理士法的には在宅勤務はダメでした。これは税理士法でいう2カ所事務所に該当して処罰の対象になるのです。ところが今回その税理士法も見直されようとしています。ここ2~3年は変化の年です。それに順応できるように勉強もしなければなりません。変革の時はチャンスの時でもあります。今年色々吟味して来年スタートダッシュできるように日々勉強・研究に精進します。皆様も来年のスタートダッシュに向けてそろそろ準備を始めましょう。