社長からの借入金

会社が資金繰りで困ったときなど、社長自らが会社にお金を貸すことがあります。会社が社長からお金を借りるときは無利息のことが多く、ある時払いのような取り扱いで、何年も社長個人に返していないケースもあります。塵も積もれば山となるで、いつの間にか何千万円という会社もあるようです。このままにしていて問題はないでしょうか?

このままの状態でもし社長がお亡くなりになった場合、社長側から見ると会社への貸付金として相続税の対象となります。無利息で何年も会社にお金を貸していて、挙句の果てにそれに対して相続税が丸々かかってくるのです。例えば土地などであれば、通常の時価より安い路線価による価格になったり、場合によっては評価減してもらえたりするのに、貸付金は丸々、つまり2,000万円貸していたら2,000万円丸々相続税評価額となってしまいます。

返ってくる保証のない貸付金に相続税がかかるくらいなら債権放棄した方がマシと考える人も出てくると思います。債権放棄した場合はどうなるのか?もらった方(会社)が債務免除益が立ち法人税が課税されます。ですから、相続税率と法人税率を比べ法人税率の方が低くなければ意味がありません。会社が中小企業であれば、軽減税率の範囲内で債務免除を受けたり、赤字の時に債務免除をすれば、効果的です。

また、DES(デット・エクイティ・スワップ)という方法もあります。これは、社長からの借入金(デット)を現物出資(エクイティ)する方法で、社長から見ると貸付金が株式に変わることになります。自社株の評価については他で検討することになります。自己資本比率があがり金融機関からの融資を受けやすくなったりするものの、中小企業の特例が使えなくなるくらいの大きな現物出資は逆に法人の税金の負担が多くなるので注意が必要です。また、DESでも債務免除益が発生するため、法人税の対策も必要です。大事になる前に少しずつ返済するのが一番の方法かもしれません。

医療法改正で定款変更は必要か

医療法が改正され施行日は平成28年9月1日です。この度、私の顧問先の社会医療法人が、この医療法改正に伴い、定款変更をするようにという指導があったので、調べてみました。すると、厚生労働省医政局長から「医療法人の機関について」という通知の22ページに理事会に関する規定がない医療法人は施行日から2年以内に定款変更する必要があると出てきました。ただ、数行下に社会医療法人及び大規模医療法人以外の医療法人は、当分の間、定款変更の必要なしという表記が出てきます。

えっ定款変更しなきゃいけないの?しなくても良いの?と混乱します。社会医療法人と大規模医療法人は変更する必要があります。他の医療法人はどうでしょうか?つまり、理事会の規定があれば、当分の間このままで良いし、理事会の規定がなければ、しなくてはいけないとの事。医療法人は平成19年の医療法改正でほとんどの医療法人がその時のモデル定款通りに定款変更しています。それが今の定款になっているところがほとんどなのです。それを見ると、第21条あたりに、会議は社員総会及び理事会の2つとし・・・という規定があります。これでいいのか?いけないのか?ちなみに新定款のモデル定款の理事会の規定はもっと細かく規定されています。

まず、原則として2年以内に定款変更しなさいということですが、理事会の規定があれば、社会医療法人と大規模医療法人以外の医療法人はやらなくてもよい。理事会の規定とは現定款第21条を流用できるのか?本当に読みづらいですね。そこで埼玉県医療整備課に聞いてみました。結論から言うと第21条は流用できるそうです。ただし、今後、定款変更の事由が生じた時には、理事会の部分の変更の指導もあるらしいです。

参考までに医療法人の機関についての資料を添付します。新定款のモデル定款も載っています。医療法人の機関について.pdf

インフェルノ

ダンテの描く地獄図(インフェルノ)がもとになって事件が展開していきます。「ダ・ヴィンチ・コード」や「天使と悪魔」の映画に似ています。主演もトム・ハンクスなので同じような展開です。でも前作に比べると私的には面白くなかったような・・・前作は次から次に謎解きがありましたが、今回はそこまでではなく、また主人公が記憶喪失になったり、命が狙われたりして前作より、謎解き部分が少なかったような気がします。

今月はこの映画しか観れなかったです。本当は今話題の「君の名は」の感想を書こうと思っていましたが、10月の上旬に観たので今月のブログに書くのはちょっと・・・と思いまして今月観た映画にしました。それにしても、トム・ハンクスはこのような役柄がピッタリですね。トム・クルーズもそうですが、トム・ハンクスも年を取ってからの方が素敵になっていますね。私も年を取ってから素敵になりたいものです。

最近、雪が降ったり、かと思えば晴れたり、雨が降ったり、天気が不安定で体調を崩す方も多いです。早くもインフルエンザが流行りだしている地域もあるみたいです。皆様もこれから年末にかけて無理をなさらずお身体ご自愛くださいませ。

不思議な会社に不思議なんてない




この本はMBS(明治ビジネススクール)の友人がお薦めの本として貸してくれた本です。昨日、一気に読みましたが、途中何度も目頭が熱くなりました。

この本は島根県にある建設業の会社の社長が書いた本です。島根県は、県民所得が全国で下から二番目の46位(最下位は隣の鳥取県)しかもこの二県は人口流出が激しく島根県69万人鳥取県57万人と両県あわせても大田区と杉並区を合わせた人口しかいないそうです。建設業はバブルの時が最も売上が高く、以後減り続けています。小泉内閣の時に公共工事が削減され、それ以後他の建設業界も以前のような勇ましさはありません。それなのにこの会社は平成26年の時点でバブルの時の1.8倍の売上があります。なぜなのか?

それは、この会社は以前は他の設備業者同様に大型の公共事業やゼネコンの工事が中心でした。ところが2001年から一般家庭を対象にした小口工事を始めたのです。小口工事件数の7割が5万円以下である受注にもかかわらず、全体の売上げの45%を占めるまでになったのです。この小口工事は2006年から島根県と鳥取県の一部で「住まいのお助け隊」としてテレビCMを出してからは認知度が高まりさらに受注が増えました。

このCMの登場人物はその会社の作業員らが作業服姿で「たすけたい♪たすけたい、あなたの住まいを助けたい♪」と言って行進するそうです。建設業界に不況の嵐が吹いたとき、このまま公共工事やゼネコンの大型工事に依存したいたのでは将来がない。と一般家庭を対象にしたサービス業に転換したのです。それも感動的なサービスの提供を心掛け従業員の研修を徹底し、従業員を大事にし独自の文化を築き上げたのです。とても心が温かくなる本でした。是非実際に読んでみることをお薦めします。

景品送付

お待たせいたしました。春にHPの表紙を変更した時に、クローバークイズ🍀を実施していまして、当選者には10月に景品をお送りする旨を通知していました。ところが、リニューアルオープン作業にバタバタして、デザイナーさんへのオリジナルステッカーの発注が10月になってしまい、それに伴い出来上がりが遅れてしまいました。この度やっと、ステッカーが出来上がってきましたので、ようやく景品をお送りすることが出来ました。

景品は、「もしもの時に役立つノート」と「オリジナルノート」です。オリジナルノートについては、罫線がない白紙ノートなのでご自由にお使い下さい。3種類(①石のよう堅い意志を! ②雑草のように逞しく! ③気分は青空!)ご用意しましたが、その中から1つお送りします。もしもの時に役立つノートは、ずばりエンディングノートです。気になることから少しずつ書いておくと、本当に”もしもの時”に役に立ちますよ。

ご応募ありがとうございました。いつも読んでくれている人ばかりだったので、この場を借りてお礼いたします。毎月7カテゴリーに1つずつブログを書いている訳ですが、正直忙しい時や面倒な時もありますが、読んでくれる皆様がいるから頑張って書き続けられています。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします



納税資金計画

利益が出てくるとどうしても、納税が必要になってきます。また、利益があまりでていなくても、消費税の納税だけは多額になる場合があります。利益が出ていないのに消費税が多額になる ケースとしては、人件費が多いケース。消費税は原則として売上に係る消費税から仕入(支払)に係る消費税を控除した残額を納税します。給与には消費税がかかっていないため、仕入(支払)に係る消費税として控除することができず、利益があまり出ていなくても消費税は多額になります。

消費税の納付期限は決算日から2ヶ月以内です。それまでに納税しないと、延滞税や不納付加算税などが本税の他に課されたりします。ですから日頃からある程度予測して納税資金を貯めておく必要があります。納税準備預金というのがあります。これは銀行で作れるのですが、受取利息の税金が非課税になるお得な口座です。ただし、預金をしたら、納税以外の用途で引き出しすることができません。納税以外の用途で引き出しすると受取利息が非課税でなくなります。

納税のためといいっても、従業員から預かる源泉所得税も税金になりますので、意外と使い道はあります。是非お試し下さい。それでも納税できそうもなかったら・・・通常、消費税はお客様から預かった税金です。それが払えないという事は、お客様の税金を使い込んでしまったということですから、消費税には延納という制度はありません。ただし、どうしても難しいという場合は、所轄の税務署に相談して下さい。その時に、国税庁のホームページから「換価の猶予申請書」を出力して記入して持っていけば、通常2.8%~9.1%の延滞税が1.8%になります。1.8%でも今の時代の金利としては決して安くはありませんが・・・ご参考までに

病院の人材不足にどう対応するか

病院の人材不足は永遠の課題です。病院には人員基準というものがあり、ある程度の人員がいないと診療報酬そのものを下げられてしまうのです。ですから、どの病院も不足人員を確保しようと必死です。人材が集まらない場合はどうするか?ものすごい高い報酬を支払ってエージェント(人材紹介会社)から確保しています。厚生労働省が出している賃金構造基本統計調査によると看護師の年収は450万円~500万円近くにまでなっており、その年収の15%~20%を紹介手数料としてエージェントに支払っています。

先日ある病院から内部の看護師の職員から友人の看護師の就職の紹介を受けた。紹介してくれた職員と、紹介された職員の双方に10万円ずつ手当をあげたいのだけれど、いいか?という相談を受けました。私は給与課税するなら何の問題もないと答えました。(あくまでも私の個人的見解です)エージェントからの紹介なら紹介手数料として1人70万円~100万円くらいの紹介手数料を支払わないといけません。それが20万円程度ですむならその方が経済的にもずっと良いですし、紹介する側もされる側もちょっとしたお小遣い(給与)になり一石二鳥です。

また、紹介した人の友人だけあって、類は友を呼ぶらしくエージェントからの人材より良質な人材が確保できています。いつまでもエージェントのカモになっている場合ではありません。ちゃんとした規定を作り、良い人材を確保しましょう。

ふるさと納税(食べ物編)

ふるさと納税の返礼品で一番多いのは、やはり食べ物ですね。量が多いものというのは、様々なサイトや自分で調べれば分かります。でも本当に美味しかったものってあまり分かりませんよね。今日は量が多くてお得な物(所謂返礼率が良いもの)ではなく、心から美味しかったと思えたものを紹介いたします。

まず、山梨県甲斐市のビーフ&ポークすき焼きセット!これは兎に角ビーフもポークも柔らかいです。ビーフはたまに柔らかい肉に(お店で)巡り合う事もありますがポークでこんなに柔らかいのは巡り合った事がありません。肉好きの人にお薦めです。

次に山形県寒河江市のさくらんぼ!サクランボって高くてなかなか自分では手が出ません。スーパーなどで買っても大して美味しくありません。ところがここのサクランボは最高でした。1粒1粒勿体ないと思いながら食べましたよ(笑)ちなみに、以前に山形県の違う市でもサクランボをお願いしたことがありますが、そちらは小さく甘くなく山形のサクランボとは思えないものでした。

そして北海道下川町のアスパラガス!私はアスパラは昔は好きではありませんでした。でも、北海道に旅した時にアスパラを食し、北海道のアスパラはなんでこんなに美味しいのだろうと思ってから、大好きになりました。ここのアスパラは期待を裏切りません。また、関東のスーパーで売っているような細っこい代物でもありません。立派なアスパラが送られてきますよ。

たまには美味しいものを贅沢に食べてみたいと思う方、是非お試しあれ。

年末調整

10月になると、各保険会社から保険料控除証明書などが送られてきて、もう年末調整の時期か・・・と思います。今年はマイナンバーの記載や源泉徴収票の形式が変わったり、昨年とはちょっと違う感じです。ですから、今年は当事務所でも年末調整の準備は早め早めに対応しています。源泉徴収票がかなり大きくなったり、マイナンバーの管理に対応したり・・・

来年1月の支払調書の対応はもっと大変かもしれません。何しろ、地代家賃を支払っている大家さんや、講演や執筆などをお願いした個人の方、そして顧問などの人達からマイナンバーを取り寄せないといけません。従業員のマイナンバーを取り寄せるのは比較的楽ですが、大家さんや顧問からのマイナンバーの取り寄せは難しく、今からどのような文章を作ったら良いか?どう管理すれば良いか?などの問い合わせがあります。

マイナンバーを取り寄せられなかった場合の管理もしなくてはならず、事務手数が増えます。今年の年末年始をどう乗り切るかが各事業所の大きな課題となっています。当事務所でもできるだけ手助けできるように、各種フォーマットの提供などをしています。なんなりとご相談下さい。

最強の働き方




本屋さんで見つけました。ブルーの表紙が爽やかな本です。通常の本は大抵黒一色で書かれています。ところがこの本は、ブルーの文字と黒字にブルーの蛍光ペンでラインをしたような文字が多数あります。おそらく、読みやすく努力したものと思われます。

働き始めた新人のメールの書き方から時間管理などから、上司になったときの部下への対応、そして会社のトップになり自己実現を目指すまで、段階を追って書かれてあります。どの段階の人にも具体的事案に沿って書かれているので、参考になるでしょう。

仕事って、20歳前後から年金をもらう年齢まで(または一生)関わっていくものですね。その長い40年以上もどうやって働き続ければ良いのか。働く事が生き甲斐であれば、それはとても幸せなこと。どうやって効率的にまた効果的に働けるか。

また、仕事は自己実現の道だとも言っています。自己実現の要素は「やりたいこと」×「できること」×「社会に要請されること」の掛け算でこの要素が仕事での自己実現の最終形のようです。全体的に長い人生の働き方の手引書のような本でした。