認知機能低下に伴う診断書

道路交通法が改正され、来年の3月12日から75歳以上の運転者のうち認知機能が低下した場合に起こりやすい違反をしたときは、認知機能検査をしなければならなくなりました。ここで認知機能の低下が認められた場合には、適性検査を受けるか医師の診断書が必要となります。

施行は来年ですが、診断書を書くにあたって医療法人としてどう対応するか。医師によって診断書に差異が生じないように今から院内研修などをして3月に備える必要があります。今後このようなケースは多くなってくると思いますので、早めの研修で準備万全にしておいて下さい。

2~3日前から急に寒くなりました。電車に乗っていると体調を崩していると思われる人が多くなってきました。皆様そろそろゆっくりとお風呂に入れる時期になりました。体を温めて免疫力アップをはかってくださいませ。

ストレス耐性

事業所に労働者が50人以上いる場合、ストレスチェックをするのが義務付けられています。2015年12月1日から2016年11月30日までに1回目のアンケートを終わらせなくてはいけません。ストレスチェックについては厚生労働省から冊子が出ていますので以下参照下さい。
ストレスチェック.pdf
ある団体が医師にストレスチェック制度のアンケートを取った結果、6割以上の医師が「効果がない」と回答しました。理由としてはチェックしてもその後の職場の改善がない限り本質的に意味がない。とか、ただ職場の不満がある人が引っかかるおそれがあり本来の趣旨から外れるといったものです。確かにストレスには個人差があります。偉人の話などを聞くとこんな過酷な運命なのに何て逞しいのだろう。という人もいるし、些細な事でストレスを抱える人もいます。

同じ職場同じ環境同じ立場でもストレスの度合いは人それぞれ。非常に難しいです。確かにこのアンケート結果でもあるように、職場の不満がある人は引っかかってきます。どこにいってもどんな職場でも一定量は不満を持つ人がいると言われています。それが職場のせいなのか本人のストレス耐性の問題なのかは微妙です。

ストレスの感じ方は人それぞれと言いましたが、それは生まれつきではなく、私の経験からは鍛えることができるものだと思います。世の中の大物と言われている人はストレス耐性が高いですが、実際、1つの事柄をどうとらえるかで全くストレスの度合いが変わってきます。私が良くやるやり方というか考え方は、ピンチはチャンスと考えること。そして不幸と幸福は同じ量だけ人に与えられるということです。嫌なことがあったら、その分幸福の貯金をしたと思えば救われます。

税理士として多くの経営者と接していますが、いわゆる大成功をおさめた人は大きな試練を乗り越えたりしています。私は年齢を重ねるごとにストレス耐性が強くなってきているような気がします。若い時は自分と違う考え方を受け入れられない頑固な自分がいましたが、今は自分がぶれなければそれでいいと思えるようになりました。人のマイナス面はマイナスではなく個性だと思えばどんな人とでも付き合えます。でも、意外とナイーブですぐ落ち込みます。人間としてはまだまだ未完成。今後の成長に乞うご期待!というところです。

理事長等の産業医兼務禁止になりました

平成29年4月1日から、医療法人の理事長や管理者などをその医療法人の産業医として選任することが禁止されました。

簡単に言えば自分の事業所の産業医が自分であるということです。これは労働者が例えば仕事をしていて精神疾患や職場に不利益な健康被害があったとしても、その産業医に言えない。もしくは、言ったとしても不利益に取り扱われる可能性があるため、産業医としての職務が適切に遂行されないため設けられました。

ただ、理事長等が他の事業所の産業医になることは禁止されていません。ご注意ください。詳しくは↓
労働安全衛生規則の一部を改正する省令.pdf

医療法人の分割

平成28年9月1日より医療法人の分割ができるようになります。医療法人については以前から合併(2つ以上の医療法人が1つになること)は出来ましたが、分割(1つの医療法人が2つ以上に分かれること)はできませんでした。

それが今年9月よりできるようになります。ただし、分割ができるのは持分の定めのない医療法人のみで、持分の定めがなくても厳しい審査を経てなった社会医療法人や特定医療法人はできません。分割には、新設分割と吸収分割があります。(下記、添付図参照)

医療法人制度も半世紀以上経過して当初は医師3人以上が理事にならなくてはならず、友人などと医療法人を設立したものです。その後1人医療法人制度ができましたが、親の代では友人同士・仲間意識が高い者同士でも子供の代になって上手くいくとは限りません。そのような場合、分割した方が精神的ストレスを抱えずに医療経営ができる場合もあります。是非、顧問税理士等に相談してみて下さい。
医療法人分割.pdf

予約制診療科目の対応

歯科や産婦人科など予約で診療を行っているクリニック、診療科目にもよりますが、多いですよね?緊急を要しない歯科などはほとんどが予約診療です。予約が何週間も先まで取れないのに、当日キャンセルされるとクリニックとしては痛手です。それなりに人も準備して診療材料なども用意しているからです。

先日ある歯科に行った時の話。当日キャンセルらしい患者からの電話を取っていた受付嬢が「分かりました。○○さまは当日キャンセルが本日で2回目なので、もう当院ではこれ以上予約を取ることができません。申し訳ないのですが他院での診療をお願いいたします。」と答えていました。この言葉を聞いたときびっくりしましたが、よくよく考えてみたら、そのクリニックの将来を考えたら得策だったのかもしれません。

確かに予約診療で当日キャンセルは診療する側にとって大きな痛手です。キャンセルの理由にもよりますが、(例えばインフルエンザなどを当日発症したときなどは逆に来てもらうと困ります)大抵のことは前日までに分かることです。キャンセルしがちな患者に付き合い続けて逸失利益を失うよりはルーズな患者とは早めに手を切ることも医療経営を考えた場合大事なのかもしれません。

医療法人会計基準

医療法人会計基準を定める省令が公布されました。医療法人会計基準は以前に発表されていて、かなり注記などが細かい基準で小規模医療法人にはこの会計基準を適用するのは無理がある感じで以前から、強制適用になる範囲に注目が集まっていました。この度、強制適用になる基準が明らかになりました。

医療法人会計基準及び外部監査が義務付けられるのは、下記の医療法人です。
① 医療法人(社会医療法人を除く)については、貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が50億円以上又は損益計算書の事業収益の部に計上した合計額が70億円以上の法人。
② 社会医療法人については、貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が20億円以上又は損益計算書の事業収益の部に計上した合計額が10億円以上で、社会医療法人債を発行している法人。

そして、施行日は平成29年4月2日以後開始事業年度からです。4月1日じゃなくて?と思うかもしれませんが4月2日です。つまり、3月決算法人から開始ではなく、4月決算法人から開始になります。医療法人は3月決算法人が一番多いので(古い医療法人はほとんど3月決算法人です)3月決算法人から始めると業務がパニックになるからでしょうか?監査法人も監査に慣れていないでしょうし、その辺を加味して4月2日以後開始事業年度(つまり3月決算法人からにしない)からにしたのかと想像されます。

一般の医療法人でいうと負債50億円以上か医業収入が70億円以上の法人ですのでかなり大きな規模でないので該当しないのですが、今まで病院会計準則さえ適用にならなかった大規模クリニックグループなどは、適用になる可能性もあるので適用になりそうな医療法人は準備が必要ですね。

医療法人会計基準.pdf

看護師の特定行為

医療行為は医師しかできません。ところが軽度な医療行為は看護師でもできます。医師の指示の下という前提条件が付きますが・・・
特定行為を行う看護師は特定行為研修を受ける必要があります。また特定行為は38個に限定されていて、この度、特定行為手引書が全日本病院協会から出ました。下記クリックすれば、ダウンロードできます。

看護師特定行為.pdf

全74ページとかなりのボリュームですが、必要ならダウンロードしてくださいませ。

医師国家試験合格者

今年で110回を迎える医師国家試験の合格発表が平成28年3月18日に行われました。合格率は医師不足を反映してか過去最高の91.5%(男性90.7%,女性93.2%)女性の合格者における比率は32.8%になりました。

3人に1人が女性という現象は数年前からあったことですが、いよいよ確定してきました。今のところ、女性の理事長は私の顧問先ではありませんが、各拠点における管理者(院長)は女性というのも私の顧問先でも出てきました。あと20年後はもっと、女性医師の活躍が目に見えてくると思います。

テレビ番組にもありましたが、ドクターXのようなカリスマ女性医師も誕生するかもしれませんね。各病院・クリニックは今後女性医師の活用の対策を強化しなくてはなりません。特に病院にとって医師の獲得は病院経営を左右します。看護師も同様ですが・・・今後は女性がいかに家庭と仕事を両立させることができるか。また、職場はそれをサポートできているかが問われそうです。できるだけ早く対策することをお勧めします。

日曜日診療

先週の土曜日、風邪は治りましたが、少しすっきりしない為、近所の耳鼻咽喉科に行きました。10時に行きましたが10時50分時点で診療できず、11時から予定があったため1時間後に来ますと言い残して、12時過ぎに診療してもらいました。季節柄ということもあるでしょうが、とても混んでいてびっくりしました。待合室の椅子も全て埋まっている感じでした。その耳鼻科は予約システムを採用しているのですが、予約が満員になり予約システムを止めたらしく、問い合わせの電話が何本もかかってきて、その度に受付の方が「只今込み合っていまして、予約システムを止めさせていただきました。受付を12時半までに済ませていただければお待ちいただくかもしれませんが診療はいたします。」と丁寧に受け答えしていました。

土曜日ですらこんなに混んでいます。私も仕事を抱えているのでできれば平日の夜か休みの日に行きたいですね。最近日曜日診療をするクリニックが少しずつ増えています。歯科に関してはもうすでに夜間診療や日曜日診療をやって差別化を図り利益を出すクリニックがありますが、一般診療所はそこまで日曜日診療はやっていません。ちなみに私が住んでいる200m圏内には日曜日診療をしているクリニックは1件もありません。

厚生労働省が発表した「医療施設(静態・動態)調査」によると日曜日午前診療を行うクリニックは平成14年には3,956施設でしたが、平成26年には5,078施設になっています。全国のクリニックが10万施設なので大体5%位が日曜日診療を行っているという事になります。また、都道府県で一番多いのは茨城県(9.3%)つづいて埼玉県(9.1%)千葉県(8.6%)神奈川県(7.5%)東京都(7.3%)と続き関東周辺では日曜日診療を行うクリニックが10%に迫る勢いです。逆に島根県(1.8%)宮崎県(2.1%)鳥取県・高知県・長崎県(同2.3%)は少ない方ですね。

人口10万人あたり施設数

病院および診療所の人口10万人あたりの施設数が発表されました。

病院で施設過剰気味ベスト3は、高知県、徳島県、大分県でした、逆に不足気味なのが、神奈川県、愛知県、千葉県でした。

診療所で過剰気味なのが、和歌山県、島根県、長崎県で逆に不足気味なのが、埼玉県、茨城県、千葉県です。

添付の表を見ると分かるのですが、全体的に病院も診療所も南の方が過剰気味、北の方が不足気味の傾向にあるようです。ご参考までに・・・

人口10万あたり施設数.pdf