ゲーム論(ナッシュ均衡)

ナッシュ均衡とは、自分以外のプレイヤーが均衡点の戦略を取る時、自分もそれを取らないと得にならない。という状態のことです。それは互いに最高の努力をしているという状態なのですが、下記の3つの注意点があります。

1.片方だけが最高の状態ではだめです。
2.自分だけがずれても、自分の得にはなりません。
3.自分がずれると、他人の得点が上がる場合が多いです。

非協力ゲーム(プレイヤー同士が協力し合わないゲーム)では少なくとも1つのナッシュ均衡点が存在するといわれています。その点で非協力ゲームの基礎理論としてナッシュ均衡は存在します。

囚人のジレンマはナッシュ均衡の代表例です。

エシカル消費

エシカル消費とは、倫理的に正しい消費のことをいいます。最近の消費者の間ではCSR(企業の社会的責任)を重視する人が増え、ただ安いだけの消費ではなく、社会的にためになる消費をしようとする傾向があります。例えば売上の一部を義援金にしますというのはその最たるものでしょう。

最近はインターネットが普及し、価格が低いものを探そうと思えばいくらでも出てきます。この前、私の顧問先ではありませんでしたが、町の印刷屋さんのお話を聞きました。近くの同業者が景気が悪い(赤字が続く)や後継者不足でどんどん潰れていって、自分の工場に注文が殺到しているので夜も寝ずに働いているが、単価が安くてやればやるほど赤字になると言うのです。8,000円位の注文で印刷ミスをして紙代の損害を補償して40,000円支払ったという話もされていました。町工場で夫婦2人でやっているような感じでした。

睡眠不足で死にそうになりながらやって、やればやるほど赤字だなんて・・・もしかして、自分の会社の損益分岐点や1つ当たりの原価も把握せずに注文があれば、やみくもにやっているのではないか。と思いました。

100円でものを仕入れて、90円で売ったら、赤字になることは明白です。でも製造業ですと、30円で材料を仕入れて90円で売ったら一瞬黒字になるような気がしますが、実際はそれに加工賃や人件費やそれに伴う付加価値に対して経費がかかります。その経費が80円かかるとしたら、90円-(30円+80円)=-20円 つまり1個当たり20円の赤字です。そうやればやるほど赤字なのです。顧問税理士はちゃんとそのことを伝えなくてはいけません。

このような法人は1個当たりの原価を把握させ、○○円以下では注文は取らないと断る勇気が必要です。このように採算無視で注文をどんどん取る法人が増えると、採算を考えてわずかな利益を取る法人の注文も取られてしまいます。そろそろ激安重視の消費はやめ、エシカル消費に移行する時かもしれません。

医療法人の出資の評価

医療法人は医療法によって配当が禁止されているため、含み益が法人内部に蓄積される傾向にあります。従って理事長に相続が発生した場合、多額の相続税が発生する可能性があります。平成19年以降この出資の評価が必要な持分の定めのある社団医療法人の新規設立はできなくなりました。従って将来的には医療法人の出資の評価で相続税に悩む医療法人も減るのでしょうが、平成23年3月31日現在で医療法人の総数は46,946法人、そのうち相続税評価が必要な持分の定めのある社団医療法人は42,586法人です(厚生労働省調べ)そう考えますとまだまだ90.7%の医療法人が相続税の心配が必要であり、私が知っているだけでも、数千万円の出資金が何十億円もの出資評価になっている医療法人が多数あります。

相続は突然やってきます。突然でなくても相続開始前3年以内の贈与は相続税額に加算されますので注意が必要です。医療法人は現在、事業承継税制の対象にはなりませんので逃げ道がありません。

出資の評価が無税になるためには特定医療法人への移行が有効ですが、特定医療法人への移行は多くの要件をクリアしなければなりません。できれば特定医療法人への移行を進めたいところです。しかし、それができない場合、例えば赤字で評価が下がった時に事業承継人に出資持ち分を譲渡することや、課税されるのを覚悟して持ち分の定めのない社団医療法人へ移行するなどが考えられます。どうすればよいのかは、その医療法人を将来的にどうしたいのかという考えによって変わってきます。ただ、無計画に相続の発生を待つのではなく何か準備しておくのは大事だということです。

ふるさと納税

ふるさと納税とは、自分の故郷の市町村等に寄付して本来の税金を安くしてもらう制度と思っている方も多いと思います。何となく合っていますが完璧ではありません。ふるさと納税の対象は自分の過去に住んでいた場所(故郷)でも可能ですが、そうでなくても(例えば、お世話になった町や応援したい村などでも)可能です。

ふるさと納税創設の際、個人の住民税を直接ふるさとに希望を出せば納税できるのが検討されましたが、市町村等の事務作業が膨大になること等から、税額控除になりました。

支払った寄付金は所得税額だけではなく、住民税も控除できます。具体的には下記の金額が控除されます。

所得税
(寄付金-2,000円)×所得税率(0%~40%)

住民税
①基本控除額
(寄付金-2,000円)×10%
②特別控除額
(寄付金-2,000円)×(90%-所得税率)
③ ①+②

ちなみに所得税率10%の人が3万円寄付するとすると、所得税が2,800円住民税①が2,800円②22,400円で合計28,000円
所得税率20%の人が3万円寄付すると、所得税が5,600円住民税①が2,800円②が19,600円で合計28,000円
所得税率40%の人が3万円寄付すると、所得税が11,200円住民税①が2,800円②が14,000円で合計28,000円になります。つまり所得税率が0%でない限り、支払った寄付金-2,000円が税額控除となります。

地方自治体の中にはふるさと納税をするとその地域の特産品を贈答してくれる市町村もあります(お米やラーメン、海の幸など市の特産品など)ので、それらの特産品があるところにふるさと納税をすれば支払った以上の効果もあります。「ふるさと納税 特典」と検索するといろいろ出てきますのでおためしあれ。。

注意点は下記3点
1.確定申告をする必要があります。
2.寄付金をした地方自治体からふるさと納税の領収書をもらう必要があります。
3.特産品を貰う場合は時価で年間50万円を超えると一時所得で課税されます。(他の一時所得がある場合はそれも合わせたところで50万円以上で課税です)

CFPは仕事になるか?

2011年10月1日現在CFP認定者は17,869人、AFP認定者は153,240人います。AFPより上位資格であるCFPの方が人数は少なくなっています。よく聞かれることは「FPの資格ってためになるの?」というのと「FPの資格って仕事があるの?」です。

前者の回答は必ず「ためになるよ。」と答えています。後者の質問には「お金になるかどうかって事?」と聞くようにしています。ためになるかどうかと聞かれればためになります。CFPのブログ(2011年2月8日)でもお話ししましたが、CFPの知識はお金に関する知識が広く浅くもれなく吸収できるとことに良さがあります。ですから、ためになるのです。

では、お金になるか?ましては独立できるか?この資格で飯が食えるか?となると、自信を持ってYesと言えないのが現状です。CFPの資格だけでまれに独立して活躍している人もいますが、どちらかというと私のようにW資格を有する人が多いのではないでしょうか。金融機関や保険会社で働く人は、AFPを取得し、その次にCFPを取得するのを会社が奨励しているのが多いと聞きました。

私はCFPの他に税理士資格を有していますが、どちらがお金になるかというと圧倒的に税理士資格です。税理士は税務に関して独占業務を有しており、税理士以外の者が他者の税務申告書を作成することは、法律で禁止されています。それに比べ、CFPはこれといった独占業務がないし、税務の様に差し迫った問題点ではないので、仕事の量が限られます。だからと言って全く仕事がないかというと、そういうこともなく、私の場合はCFPと税理士の両方の資格を有するということで、原稿の執筆依頼がきました。CFPの知識は原稿や講演を通して依頼されることが多いような気がします。また、会社に勤務する人にとっては、資格手当の対象となることも多いようです。

アルバート・アインシュタインのひらめき


アインシュタインは殆んどの人が知っていると思います。アインシュタインと聞くと、舌をいたずらっ子っぽく出した顔が思い浮かぶのは私だけではないと思います。
アインシュタインは相対性理論を確立した人です。相対性理論についても、内容は分からなくても聞いたことはあると思います。

相対性理論について、外国の絵本(ここで外国の絵本としたのは、日本人ならそのような表現の仕方はしないなと思う比喩が多いため)を読むような感覚で書かれています。

Wikipediaでは「相対性理論とは、互いに、等速運動する座標系の間では物理学の法則が不変な形を保つという原理(相対性原理)と、光速度不変の原理を仮定したときの物体の運動を記述する。前者は慣性系についてのみ記述し、後者は加速運動する系や重力場の効果を含めて一般化した理論である」と言っています。

何のことやらさっぱり分からないと思います。この何のことやらさっぱり分からないものを少し噛み砕いて絵本仕立てにしたものと言えば分かりやすいでしょうが、それでも夢の中の物語のようで、不思議の国へようこそ!というイメージの本です。本文をすぐに読み始めるのではなくて、解説を読んでから本文を読み始めた方がより分かりやすいと思います。

この本を読んだ次の日は不思議な夢を見ました。本の中では、「時間」と「光」というキーワードが沢山でてくるので、その辺に着目して読むと読みやすいかなと思います。

デットエクイティスワップ

デットエクイティスワップ(DES)とは、Ded(債務)とEquity(株式)をSwap(交換)することをいいます。債務である借入金を株式化すると言えば分かりやすいと思います。

例えば、債務超過に陥った企業に対し、借入金を有する金融機関が債務免除をしたとします。金融機関は借入金全額について丸々損をします(貸倒損失)企業側は債務を免除してもらったので、(借方)借入金 ○○○/(貸方)債務免除益 ○○○という仕訳が生じます。債務免除益は収益になるので、有税(税金の対象となるという意味です)となります。

では、この借入金についてDESした場合はどうでしょうか。借入金が減って、株式となるので、会社側の仕訳は(借方)借入金○○○/(貸方)資本金○○○となります。

企業側にとっては、債務超過が解消され財務状態がすこぶる良くなります(自己資本比率の上昇)また、金融機関は債務免除にしていたら、丸々大損だったのが、株式に変換されたので、利益が出るようになったら配当を受取れますし、株式の時価が上昇すれば、株式を売却して利ザヤを稼ぐこともできます。

この方法はしばし中小企業の役員借入金についても応用されています。社長や理事長はご自身の法人が経営不振に陥った時しばし身銭を切って法人に貸付けます。しかも無利子で貸したりします。どうせ返ってこないのならと財務状態を良くするためにDESが利用されることもあるようです。

ワイルド・スピードMEGA MAX

前科者のドミニク(マッチョ)と元FBI捜査官のブライアン(イケメン)、ブライアンの恋人でドミニクの妹のミア(美女)を中心に個性のある仲間をむかえ、裏社会の黒幕から1億ドルを奪うというお話です。

イケメンとマッチョと美女が沢山登場する映画で見渡す限りこの3種類の人間しかいません。猛スピードのカーチェイス映画だと思っていましたが、そればかりでなく人間味溢れる温かい、そして気分爽快になる映画でした。

ルパン三世に似た悪党からお金を奪うという設定、それぞれ個性の強いキャストの人間味溢れる人柄、強固な仲間意識、スピード感あふれるカーチェイス、イケメン、マッチョ、美女、何を見ても明るい気分になってしまう、見終わった後の気分爽快感は今年ナンバーワンです。なんか幸せな気分にしてくれる映画でした。

すっきりしたい方、晴れやかな気分になりたい方にお勧めです。

医療法人の基本財産

医療法人の財産は、大きく基本財産と運用財産に分けられます。基本財産とは、医療法人設立時に土地や建物とすることが多いです。医療法人設立時には、病院の土地や建物は基本財産とすることが望ましいと県などが言っていることから、意味も分からず、病院の土地や建物を基本財産に設定している医療法人もあります。

基本財産以外の財産は運用財産となります。何が違うのかというと、基本財産は処分したり、借入金の担保にするときは、理事会(評議委員会があれば評議委員会)の決議が必要です。また、理事会の決議を経た後、所轄庁の承認も得る必要があります。定款変更認可申請書の提出も必要なのです。

ここまで書くと、基本財産は処分するのが大変だなと思うと思います。その通りで、理事会の決議を経て所轄庁(県など)の承認を得るためにも理由づけが必要です。そのため処分や担保の設定に時間がかかります。

それでは、基本財産の設定は必ず必要なのでしょうか?答えは必要ありません。所轄庁も土地や病院建物は基本財産とすることが望ましいとしながらも、それを強制することはできません。借入金の担保の設定など、時間が勝負な場合もありますので、医療法人設立時には(その後設定することはないと思いますが)できるだけ、基本財産は設定しない方が後の運用がスムーズになります。

CFP(相続・事業承継)の勉強の仕方

相続・事業承継は税理士試験の相続税法を簡単にしてかつもう少し実務的にした感じです。税理士試験は難しい財産評価が沢山でますが、財産評価については基本的なものしかでません。しかし、遺言の事や手続き的な事、対策にまで及んで何だか楽しい感じです。

財産評価についてもあまり難しいのはでませんが、オーソドックスなものはほとんど勉強するので、ご自分が資産家の御子息であればますます興味がわくと思います。

タックスプランニングと同様に計算問題も多いですが、計算問題は多く何回も解くことによってすぐ分かるようになります。また、試験パターンもあまりブレがないので勉強し易いですが、注意点が一つあります。この科目はタックスプランニング同様税制改正が多いのが特徴です。過去問の答えが現在の答えとならない場合が多いので、あまり過去問にこだわり過去問ばかり解いていると、古いままの税法で吸収してしまう可能性があります。

税務が仕事の方でしたら分かると思いますが、おそらく初学者は何が新しくて何が古いのかが分からないと思うので、古い過去問はその手の問題も出るんだと思う参考程度と考えて、新しい問題を多く取り寄せて勉強した方がいいと思います。