印紙税の改正

今月から領収書などに係る印紙税の非課税範囲が拡大されました。
(平成26年4月1日~)

今までは領収書を発行する際、3万円以上ですと200円の収入印紙を貼っていました。今月からは5万円以上になります。

改正は、金銭又は有価証券の受領書に係る印紙のみとなります。

「金銭又は有価証券の受領書」とは、金銭又は有価証券を受領した者が、その受領事実を証明するために作成し、相手方に交付する証拠証書をいいます。
したがって、「領収証」「領収書」「受取書」や「レシート」はもちろんのこと、金銭又は有価証券の受領事実を証明するために請求書や納品書などに「代済」「相殺」「了」などと記入したもの、さらには、「お買上票」などと称するもので、その作成の目的が金銭又は有価証券の受領事実を証明するために作成するものであるときは、金銭又は有価証券の受取書に該当します。

注1.印紙税の納付の必要がない文書に誤って収入印紙を貼ったような場合には、所轄税務署長に過誤納となった文書の原本を提示し、過誤納の事実の確認を受けることにより印紙税の還付を受けることができます。
「領収証」等を取引の相手方に交付している場合でも、過誤納の事実の確認を受けるには、過誤納となった文書の原本を提示する必要がありますので、収入印紙を貼る際には誤りのないようご注意ください。
2.消費税及び地方消費税の金額(以下「消費税額等」といいます。)が区分記載されている場合又は税込価格及び税抜価格が記載されていることにより、その取引にあたって課税されるべき消費税額等が明らかとなる場合には、その消費税額等の金額は「領収証」等に記載された受取金額に含めないこととされています。

例えば、48,000円の売上で消費税が3,840円で合計51,840円であた場合、51,840円(税込金額)とか51,840円(うち消費税3,840円)などの領収書を発行した場合には、印紙は貼らなくてよいということになります。(税込金額)とか(うち消費税3,840円)と記載しないで単に51,840円とすると印紙を貼らなくてはいけなくなりますので注意が必要です。

ゴルフ会員権の譲渡による損益通算

損益通算とは、不動産所得や事業所得などが赤字になった時や資産の譲渡などをして損失が出た時に、他の所得(例えば給与所得など)と合算して(つまり黒字の所得から赤字の所得を差し引いて)税金の計算をする制度です。

昔は土地の譲渡損失が出た時に他の所得から控除できて高額所得者が所得税が0になるという時代もありましたが平成16年に廃止になりました。その時に居住用財産の損益通算は残されました。また、ゴルフ会員権の譲渡損失の損益通算も残されたのです。

ゴルフ会員権の譲渡損失の損益通算はいつか廃止されると言われていましたが、とうとうきました。期限は今月末日です。平成16年に土地の譲渡損失の損益通算が廃止になった時、平成16年3月に国会の閣議決定が行われたのに、平成16年1月に遡って不適用になりました。その時1月から3月までに譲渡損失を出した人々が納税者不利益の法律を遡って規定するのはおかしいと裁判を起こしたのです。そりゃそうです。納税者利益なら遡ってもいいですが、不利益項目を遡られたら対策が取れません。今回は前回の失敗を考慮して4月1日以後の譲渡より損益通算不可となりました。つまり、3月末日までに譲渡すれば損益通算できるのです。

あのゴルフ会員権全く行ってないのに無駄だよなぁというものがあれば3月中に売却することをお勧めします。また、新たにゴルフ会員権を購入しようとしている方は4月以降に買うと結構安値で買えるかもしれません。

ちなみに私もゴルフをやりますが、ゴルフ会員権は過去にも未来にも買わないつもりです。昔と違ってビジターでも予約できますし、プレー費だってメンバーと数千円しか違いません。ゴルフ会員権を処分する方、今月中ですよ。

医療法人が消費税増税に備えてやっておくこと

売上に転嫁できる業種ならともかく、医療法人のように収入のほとんどが非課税売上(社会保険診療報酬)のような業種であと、1ヶ月半でやっておくべきことは何でしょうか?

通常であれば、薬等の在庫はできるだけ少なく持つという指導をします。でも、今回は消費期限を加味した上で、3月までに仕入れておくというのをお勧めします。

貴法人の薬の仕入は毎月いくらありますか?5%の時と8%になった時では確実に支払う金額がアップします。収入からは消費税はもらえないので、それは直接医療法人の支出に直結するのです。

だからといって闇雲に仕入れるのではなく、例えば9月決算法人であれば、おおよその9月までの薬の出るものを選定し3月中に仕入れておきましょう。それぞれの薬の回転率(どのくらいで出るかの頻度のようなもの)を考察し仕入れると良いと思います。経費の額がだいぶ変わってきます。

また、どうしても修理すべき固定資産がある時は3月中に修理完了させておく必要もあります。ただ、やりすぎは厳禁です。そもそもの資金繰りが付く範囲で考えましょう。

相続税(代襲相続人)

代襲相続とは、本来の相続人が死亡等などの理由により、相続ができない場合、その相続人に代わって相続をすることを言います。代襲の原因は①死亡②欠格③廃除のみで、相続の放棄は代襲の原因になりません。

また、誰の代襲かによって制限があります。被相続人の子供の代襲の場合、代襲は何度でも繰り返します。つまり、被相続人の子供も亡くなっていたら、その子供(つまり孫)、孫も亡くなっていたら曾孫・・・と
被相続人の親が相続人の場合は代襲はありません。誰か1人でもいたらそれで終了です。
被相続人の兄弟姉妹が相続人の場合は、その子供までです。つまり姪や甥までで甥や姪の子供にまで代襲されません。

注意しなければならないのは、相続人が親の場合、両親ともなくなっていても、その親、つまりおじいちゃんやおばあちゃんが一人でもいる場合、その人が相続人になります。父方のおじいちゃん、おばあちゃん、母方のおじいちゃん、おばあちゃん4人のうち一人でも生存していたら、父と母が亡くなっていても兄弟姉妹には相続は行かず、おじいちゃんやおばあちゃんが相続人となります。この尊属に上がって相続権が発生するのは代襲とは言いません。代襲とはあくまでも卑属に下がっていくものだからです。

相続税(養子の取扱い2)

前回の税務のカテゴリーで養子の取扱いについてお話しました。養子についてもう少し追加してお話したいと思います。

まず、前回、養子は実子がいれば1人まで、実子がいなければ2人まで基礎控除等の対象となる法定相続人の数にカウントされるというお話をしました。実は養子の中でも、実子とみなされる養子というのが存在します。つまり、養子なのだけれど実子と同じ扱いになるので先ほどの養子の数の制限を受けない、つまり、実子と同じ扱いの養子です。それは

1.特別養子縁組をした養子・・・通常の養子縁組は普通養子制度です。特別養子制度は普通養子制度と違って、実の親との縁を断絶することや、養子とされる者は原則6歳まで、養子となれる者も25歳以上の婚姻中の者などという制限があります。

2.配偶者の連れ子で被相続人の養子となった者・・・こちらは普通養子で構いません。再婚した者に連れ子がいた場合の血が繋がっていない方の親が養子にした場合、実子と同じ取扱いになります。

3.被相続人の実子又は養子の代襲相続権を有している者・・・つまり、代襲相続人の地位にある孫のことです。こちらはもともと相続権があるので、あえて排除しません。

以上が実子とみなされる養子です。これらの者は養子の数の参入制限の対象となる養子から除外されます。なお、法定相続人の数に関する規定で養子の制限をを受けるものは次の規定になります。

1.基礎控除の額および法定相続人の数に応じた相続分
2.生命保険金等の非課税金額の計算における非課税限度額
3.退職手当金等の非課税金額の計算における非課税限度額

富裕層世帯に多い養子制度ですが、上記の養子については、相続税の節税を考慮した養子制度でないことからも税金についても考慮しましょうという感じです。

相続税(養子の取扱い)

前回、前々回の税務のカテゴリーでは、相続人、法定相続人のお話をしました。その中で養子はどうなるの?という質問を受けたのでお答えします。民法上は何人でも養子にすることはできますが、相続税法上は実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人までが基礎控除等の対象となる養子となります。

つまり、養子がいれば、法定相続人の数が1人もしくは2人増えることになります。では、孫を養子にしたらどうでしょう?孫を養子にしたら、孫も子供になりますので、法定相続人の数が1人増えて基礎控除等の額がUPします。

ここで注意点を一つ。「孫の親、つまり、被相続人の子供(A)」が亡くなっていたら、もともと孫は代襲相続人になりますので、孫を養子にする意味はありません。(この意味がないというのは、基礎控除等の対象となる法定相続人の数を増やせないという意味ですが、その他の効力、例えば当人の法定相続割合を増やす効果はあります)。(A)が生きていて、孫は本来法定相続人でないから、孫を養子にして法定相続人にすることに意味があるのです。

しかし相続税には二割加算という規定があります。

二割加算とは本来の相続税に2割UPして相続税を課税するというものです。2割加算の対象者は①②以外の者です。
①一親等の血族(父母または子)
②配偶者
①の子には子の代襲相続人は含まれます。
①と②は2割加算がなくてその他の人は2割加算があるということです。ですから孫は代襲相続人であった場合は、2割加算されませんが、代襲相続人でない孫は2割加算になるのです。
孫で ない養子は純粋に子になりますので、2割加算の対象にはなりませんが、孫である養子は2割加算の対象になるというのがポイントです。これは孫の親(A)が生きているのに、孫を養子にしてまで相続させるというのは、相続を1つ飛び越えるのと同じだから2割加算しますということを意味します。

相続財産が多額で基礎控除を様々使える内容の相続でしたら基礎控除をUPさせることは意味がありますが、相続財産がそれほど多くない場合などは2割加算部分があるのであまり節税効果がない場合もありますので要注意です。

相続税(法定相続人)

前回のカテゴリー税務では、相続人のお話をしました。今回は法定相続人の話をします。相続人と法定相続人ってそもそもどう違うの?相続人とは民法の規定です。法定相続人とは相続税法の規定です。ひとことでその違いを言うとすれば、民法の相続人で相続放棄する人がいたら、その放棄がなかったものとする相続人が法定相続人です。ですから、相続で放棄する人がいなかったら、相続人=法定相続人になります。なぜ、そんな面倒な違いを作るのでしょうか?それは、下記の図を見て下さい。




甲さんが亡くなって被相続人になりました。甲さんには子供がいません。そうなると、相続人は妻と親になります。父親は既に亡くなっています(おじいちゃんやおばあちゃんも既に亡くなっています)母親は生きています。その場合、妻と母親の2人が相続人となります。
この場合、母親が相続を放棄したらどうなるでしょう?子供もいない。親(直系尊属)もいない。そうすると兄弟姉妹が相続人となります。そうしますと相続人は、妻と兄Aと妹Bと弟Cの4人となります。

ところで、相続税は全ての国民が課税されるわけではなく、基礎控除以下の人には課税がされません。基礎控除というのは、5,000万円+1,000万円×法定相続人の数(平成27年より4,000万円+800万円×法定相続人の数)です。財産がそれ以下の人には相続税は課税されません。
気が付きましたか?この事例でいうと、基本妻と母親なので相続人は2人ですから、基礎控除の額は5,000万円+1,000万円×2=7,000万円まで(平成27年以降は5,600万円まで)相続税の申告をしなくてもよいのですが、母親が放棄したら、相続人が4人なので、基礎控除の額は5,000万円×1,000万円×4=9,000万円まで(平成27年以降は7,200万円まで)が相続税の申告をしなくてすんでしまいます。

同じ家族構成なのに、相続をするか誰かが放棄するかで、基礎控除が7,000万円になったり、9,000万円になったりするのは、おかしいですよね?このことを知っていたら、わざと母親に相続を放棄させるように圧力がかかったりするかもしれません。ですから、そのような恣意性を介入させないために、相続税の算定が放棄によって狂うような部分については、実際の財産を相続する相続人ではなく、相続の放棄がなかったものとした法定相続人を使うのです。つまり、実際相続するのは相続人だけど、相続税の計算で基礎控除のような部分については、法定相続人を使うということです。

上記の場合、たとえ母親が相続を放棄してもしなくても、法定相続人の規定によって基礎控除は7,000万円(平成27年以降は5,600万円)となります。

相続税(相続人)

最近税務での専らの話題というか注目されているのは、国際税務と相続・事業承継です。相続税は平成27年より基礎控除が減額されるので、今まで相続税の心配のなかった資産層にも対象になる人が増えると言われており、私も友人などから相続について聞かれることが多くなりました。そこで、しばらくは税務のカテゴリーでは相続税についてお話します。

今日は始めてなので、相続人のお話です。誰かが亡くなったら(亡くなった人を被相続人といいます)、その方の財産について遺言などなかったら、誰がどの位受け取る権利があるのでしょうか?

まず、配偶者(正式に婚姻している場合のみ)は常に相続人となります。その他は子供がいたら子供、その場合の分配割合は、配偶者が1/2、子供は全員で1/2です。
子供がいなかったら、配偶者と直系尊属(親やおじいちゃん・おばあちゃん)が相続人です。この場合、配偶者は2/3、直系尊属は1/3です。
子供も直系尊属もいなかったら、配偶者と被相続人の兄弟姉妹(被相続人からみて兄弟や姉妹)がその相続人です。この場合配偶者は3/4.兄弟姉妹は1/4となります。

なお、配偶関係や血族関係にあっても相続人となれない者がいます。それは①死亡(相続開始前に権利者が死亡している場合)②欠格(故意に被相続人、先順位・同順位の相続人を死亡するに至らせ、または至らせようとしたために刑に処せられた者(民法891条1号)など)③廃除(民法892条の定めるところにより相続権を持つ人間に著しい非行の事実がある場合に、家庭裁判所に「推定相続人廃除調停申立て」をすることにより推定相続人の持っている遺留分を含む相続権を剥奪する制度)④放棄(相続人の意思で遺産の相続を放棄すること)
以上4つは相続人となることはできません。ただし、④放棄以外は代襲相続(例)子供が亡くなっていたら子供の子供、つまり孫が子供に代って(代襲して)相続をすることができます。

上記の相続の場合、配偶者と子供の組み合わせですと、子供が上記①②③の理由で相続できない場合、下の世代(下の世代がいなくてもそのさらに下の世代)に代襲されます。つまり、代襲は何度でも繰り返されます。
配偶者と直系尊属の組み合わせですと、直系尊属には代襲という制度がありません。
配偶者と兄弟姉妹ですと、代襲は兄弟姉妹の子供(姪や甥)までで、それより下の世代には代襲されません。

贈与税率改正

平成27年から所得税の最高税率が現在の40%から45%に引きあげられます(課税所得4,000万円以上の場合)贈与税も平成27年より変更になります。

贈与税は所得税より単純な改正ではなく、現行より引き下げられる部分(1,000万円超1,500万円以下50%→45%)や引き上げられる部分(3,000円超50%→55%)もありますが、最高税率が引き上げられるので、増税感があります。

しかし、直系尊属(自分の親や祖父母)などから20歳以上の者への贈与は引き下げられる部分が多いので注意が必要です。

最高税率が引き上げなので焦って平成26年中に贈与したところ実は平成27年以降に贈与した方が得だったといったケースもありそうです。贈与金額によって違ってきますので、次の表で試算してみて下さい。


教育資金の一括贈与

教育資金の一括贈与制度(2013.2.5カテゴリーFP 平成25年度税制改正参照)に対応した金融商品が人気です。今年4月に始めた信託大手4行への申し込みが平成25年5月30日時点で1万件、700億円を突破し、平成25年6月20日の日経新聞では1万5千件、1,000億円を突破したという。凄い凄まじさで口座残高が増えています。

この制度がここまで普及した理由は、ずばり相続税対策です。もともと親やおじいちゃんなどが教育資金をその都度、支出した場合には、非課税なのです。ただ、この制度はおじいちゃんが亡くなったあとも教育資金を準備できるということ。そして、最大の理由はおじいちゃんの相続財産を一気に減らせるという点です。孫が10人いれば、1,500万円×10人の1億5千万円もの財産を減らすことができます。

また、通常の贈与の場合はおじいちゃんが亡くなる前3年以内の贈与は相続財産に組み込まれてしまいますが、教育資金の贈与はそれにも組み込まれないのです。ですから、もうすぐおじいちゃんが亡くなりそうな時は、通常の贈与は相続税を下げる効果はありませんが、教育資金贈与はとても効果的です。

ただ、おじいちゃんが元気で長生きした場合、孫が30歳時点で使いきれない教育資金については、贈与税の対象になりますが、それから3年以内におじいちゃんが亡くなった場合、30歳時点の口座残高は生前贈与加算に組み込まれますので注意が必要です




いよいよ夏になりました。今年も浴衣着ます。今年初めての浴衣です。7月5・6・7日は例年ゆかたで東京タワーに行くと入場料が無料になるのですが、今年は無料でなく割引でした。昨年は浴衣の人でぎゅうぎゅうでしたが、今年は浴衣は全体の1割位でそれほど混んでいなくて快適でした。