工数管理4

今年1月から工数管理をやっています。(詳しくは12月1月2月のカテゴリーMBAをご覧ください)10ケ月経ったところですが、当事務所は一定の傾向がみられました。どの会計事務所でも同じような結果がでるのかもしれませんが、1月から5月は税理士業務が多く、6月から10月はコンサルティング業務(セミナーや執筆も含む)が多いのです。色分けして管理しているので、今年は1月から5月は緑(税理士業務)が多く、6月から8月はピンク(リニューアルに向けて事務所業務)が多く、9月10月は青(コンサルティング業務)が多かったです。

採算が悪い顧問先は顧問料の改定か訪問日の縮小をお願いし実行させていただきました。採算が良すぎる顧問先は、顧問先の求めがなくても積極的に様々な提案をしてきました。その結果、当初の工数管理より全体的になだらかになりました(不採算な顧問先への時間が縮小され高採算な顧問先への時間のかけ方が増した)

仕入れを伴わない事業というのは、手がかかり不採算な仕事に時間が割かれ、割の高い仕事が疎かになりがちです。でも、工数管理をすると不採算な仕事に振り回されることなく、かつ、割の高い仕事を大事にするようにして仕事自体も全体的に向上したような気がします。たまに税理士が破産とか、債務超過だという話を聞きますが、そんな人に事業のコンサルティングをしてもらいたくありませんよね。とても太った人がダイエットの有効性を講義するようなものです。自分の事業は顧問先の仕事より劣後し、管理も怠りがちですが、自分の事業の分析ができて初めて顧問先の事業の分析もできるというのを実感した10ケ月でした。

MBAを取得すると起業したくなる?

先日、私の事務所のリニューアルオープンを記念して大学院時代の同期数人がお祝いしてくれました。2009年に明治大学グローバルビジネス研究科に入学した時、先日集まった男女7人は1人を抜かし皆勤め人でした(私も勤務税理士でした)ところが先日7人で会ってみるとなんと1人を抜かし全員起業(開業)していました。勤め人1人もいずれ政治家になりたいと課外活動をしたりして・・・

卒業して5年経ちますが、私のMBA以外のお友達はそれほど起業率が高くありません。転職したという人は何人かいますが、起業したというのは本当に少ないです。でも、この同期の起業率は半端ではありません。みんな小さいながらも何とかやっていて、6人とも起業したことに後悔していない感じです。むしろ今の生活を楽しんでいます。

これってMBAの勉強したから起業したのか?それとも起業しようと思っていたからMBAで学んだのか?それともMBAで学んでいる間に起業したくなったのか?ちなみに私は最後のMBAで学んでいるうちに起業したくなったパターンです。

いずれにせよ。先日集まった男女7人以外でもMBAを卒業して起業している人が沢山います。私のゼミの人も半分以上が起業しています。MBA取得すると起業したくなるのでしょうか?

自己を見つめる

今日は朝4時から起きて、オリンピック体操男子総合を観戦しました。内村航平選手は予選では、オレグ・ベル二ヤエフ選手に次ぐ2位で終わっています。いよいよ決勝戦で、内村選手の演技は勿論凄かったのですが、ライバルのオレグ選手もそれはそれは素晴らしくて、5種目終わった時点で0.901の差をつけられて、内村選手は負けていたのです。0.901といえば、相手がミスしないと追いつけないくらいの得点差です。オレグ選手より先に内村選手の最後の競技である鉄棒が始まります。最初から見ていて思ったのですが、内村選手の演技はしなやかでそれでいて隙がない。そんな演技をします。外国人選手などは男らしさや力強さなどがあるのですが、内村選手はそうではなく、とても繊細で絵になる演技をするのです。

最後の種目の鉄棒もとにかく高い!そんなに高く飛んで大丈夫?という位・・・結果は、15.8なかなかの高得点です。そしてオレグ選手。予選では鉄棒で15点以上取っています。予選以上いや予選くらいの出来を取れば金メダルです。他の種目ではすべて15点以上取っています。失敗しない限りオレグ選手が金メダルと誰もが思ったことでしょう。そして、オレグ選手もそう思ったはず。守りに入り失敗しない演技を終えました。

その結果、なんと0.099差で内村選手が金メダルを取りました。一瞬でも銀メダルになっちゃったと思ってしまった自分に深く反省しました。内村選手ごめんなさい。ごめんなさい。と何度も言いました。オレグ選手は実力では負けていなかったのに守りに入ってしまいました。それに比べ、内村選手はインタビューで「今まで練習を何回もして失敗したことがなかったので自分の実力を出し切ろう。それでダメなら仕方がない」という気持ちで臨んだのです。内村選手からしても0.901の差というのは大きい差だったと思います。これは厳しいということも分かっていたでしょう。そこで負け戦になるのではなく、自己と向き合い自分が後悔しない演技をしようと思ったのだと思います。いわゆる覚悟をしたのです。ダメだったとしてもそれは自分の責任。それもすべて受け止めて、今ベストを尽くそう!と・・・その表情は凛としていました。

オレグ選手もそれはそれは凄いプレッシャーだったと思います。この余裕の得点差が逆にオレグ選手を守りに走らせたような気もします。失敗さえしなければ・・・予選程度の演技をしていれば・・・と・・・他の種目ではあんなに伸び伸びと挑戦していたのに完全に守りの演技でした。

この試合を最初から見れて本当に良かったです。この試合を最初から見た人は内村選手から元気をもらえること間違いなし。あぁ良いもの観させてもらいました。
金メダルおめでとうございます。

銀行との付き合い方

経営をしていると、大きな設備をする場合や仕入れがメインとなる事業などはどうしても銀行との付き合い方を考えないといけません。よく銀行は必要でないときに借りてくれと言い、必要なときに貸してくれないといいます。それもまんざら嘘でもありません。では、どのように銀行と付き合えば良いのでしょうか?

資金繰りの大切さは以前お話ししました。仕入れが経常的にある事業の場合には経営状態が良い時に一度借りておきましょう。どこの銀行でもそうですが、1番初めに貸すときが一番審査が厳しいのです。近い将来大きな設備投資をする予定の時もそうです。一度運転資金等を借りておいて実績を作り、近い将来の大きな設備資金を借りるのです。

私の顧問先の大きな設備をする法人は、お金を借りられる銀行を2行持っています。それにより銀行がお互い意識して比較的安い金利で貸してもらえています。お金が必要になってから考えるのではなく、お金が必要になりそうなタイミングの少し前に1度借りておくと大きな設備資金が必要なとき借りやすくなります。是非おためしあれ・・・

財務諸表の見方Ⅲ

財務諸表を比較してみる場合、2種類の見方があります。まずは業界で見本となるべき企業(有価証券報告書などが公開されています)の財務諸表と自社との財務諸表を俯瞰して比較すること。これによって自社はどのような強み弱みがあるのかが分かってきます。

次に自社の昨年度や5年比較などと比べ過去どのように推移したのかを比較します。これによって自社は売り上げが伸びているのか。利益率は上がっているのかなどが分かってきます。

まずは俯瞰してみて、気になる部分は掘り下げて見てみましょう。この作業は人間でいうと健康診断と同じです。健康診断もやるだけでは意味がなく、結果を吟味して、はじめて未来につなげることが出来るのです。企業の健康診断が財務諸表の比較ということになります。他社との比較が健康診断では標準値などとの比較になり、自社の推移が健康診断での過去の自分の数値の変化を考察するのと同じです。

財務諸表の見方Ⅱ

前回、経営者は財務諸表を俯瞰して見る能力が必要だという話をしました。今回はキャッシュフローについてお話しします。キャッシュフローとは現金収支です。よく何年も赤字なのに潰れない会社が存在します。何で赤字なのに会社が潰れないのか?それはキャッシュフローが回っているからです。

例えば、損益計算書上の利益が100万円の赤字だとします。損益計算書には約2,000万円の減価償却費が計上されています。その法人は過去に多くの設備投資をしていて、その借入金の返済が年間で1,000万円ありました。この場合、キャッシュフローベースの利益は△100万円+2,000万円-1,000万円=900万円の黒字になります。何故減価償却費を足すのかというと、減価償却費は経費として計上していますが、現金支出が伴っていないので足すのです。(現金がマイナスになっていないのでプラスにするという考え方)そして、借入金の元本は損益計算書の経費になりません(負債の返済なので貸借対照表に載ってきます)ですが、支払はあるので、キャッシュフローベースの利益を計算する時はマイナスするのです。

細かく言うともっとやることはあるのですが、金額が大きく動くのはこの2つです。キャッシュフローを俯瞰して見る場合、頭の中の計算でできるのが上記のやり方です。キャッシュフローベースで黒字になっているか?も注意して財務諸表を見て下さい。

財務諸表の見方Ⅰ

財務諸表(貸借対照表や損益計算書など)は経営者にとっては切っても切れない存在になります。財務諸表がなくては正確なところの利益や売上などざっくりとした感覚でしか分からなくなってしまいます。設備投資をしたい時も、キャッシュで買えるのか。それとも借入が必要かなども財務諸表が判断の基礎となります。

財務諸表は英語と同じで苦手意識を持つ人も多く居ます。でも自分が経営者だとしたら、顧問税理士等を使いできるだけ早いうちに見る力を養って下さい。うちには良く分かる財務部長がいるから自分は何も分からなくても大丈夫など言わず、必ず習得してほしいのです。ただ、細かいところはいいです。経営者は財務諸表を俯瞰して見ることが出来れば合格で、いつもとちょっと違うところや変な数字が出た時などはそれは担当者に聞いて調べれば良いのです。

業界ごとに財務諸表は特徴があり、例えば病院などは人件費率が50%以上あったり、スーパーなどは売上は大きいけれど利益率は2%程度だったりします。それぞれ目標とする同業者の財務諸表などと比較して自分の組織と比べてみると、その特徴が分かったりします。財務諸表は習うより慣れよ!少しずつ読めるようになってきます。是非、お試しあれ

大学院(MBA)卒業して

2011年震災の年に大学院を修了しました。卒業式は学部と合同で日本武道館で行われる予定でした。私のゼミは男性も含め全員で袴を履く予定でした。ところが震災の影響で早稲田大学が日本武道館での卒業式を取りやめるとそれに続き、ほとんどの大学が卒業式を中止にしたのです。

あれから5年が経ちました。大学院に行っていた時は勤務税理士でしたのでそれはそれは忙しく、平日夜と土曜日1日使って学校に通いました。他の平日夜や日曜日を使い課題をこなしあっという間の2年間。今振り返ると学んだ内容を完璧に覚えている筈はなく、むしろ、そういえばこんなことも学んだな・・・という程度です。あと、5年経ったらほとんど忘れてしまうのではないかと不安です。。

もう既に過去の資料等を確認しないと思い出せないレベルまで来ていますが、5年経っても失わなかったものは、細かい理論や手法ではなく、物事の考え方のような気がします。物事を部分的に見るのではなく全体的にトータル的に見ることの大事さ・・・頭だけで考えるのではなくやってみないと分からないことも沢山あるという事・・・そういうビジネスの基礎となる考え方のようなものは失われませんでした。卒業式は中止になって残念だったけど有意義な2年間でした。

工数管理3

今年から私の事業において工数管理をやっています。2ヶ月近くやって、少しずつ各々の顧問先の状況も分かってきました。1月は償却資産税や法定調書の仕事があり、少し通常月とは異質です。また、2月も確定申告が始まるので、コンサル会社の仕事より税理士事務所の仕事の負担が多くなるので通常月とは違いますが、少しずつ課題も見つかってきています。まず、採算が悪い顧問先についてのパターンとしては、①顧問先になったばかりで顧問先の収益も良くない為、手がかかる割に収入が少ないパターン ②年末調整や法定調書や償却資産や決算など全て月額報酬込み(前税理士との関係で)で契約をしているにも関わらず毎月訪問しているケース

この2つのパターンになりました。①は早く手がかからないように当方が指導してお互いに楽になるように地道に教育していくしかありません。おそらく、経営の基本である経理をちゃんとやることによって、経営の内容が見えてきて課題も分かるので改善により経営状態も良くなっていきます。しばらく我慢です。問題なのは②のパターンで年末調整や決算業務など意外に時間を要するという点です。そして、毎月訪問しています。毎月は手がそれほどかからないものの特殊業務に時間がかかるため、それに臨時報酬が入らないと、全てそこで食われてしまうのです。これは改善しないといけません。事情を話して報酬を上げてもらうという手もありますが、相手の利益が上がっていないのにそれは難しいと思います。毎月訪問を2ヶ月に1度にしてもらうかといったところ・・・

そして、いわゆる割がいいところ。高報酬なところもそれはそれで問題です。確かに時間はかからないかもしれませんが、それなりに組織が大きかったり、取引数が多かったりするとそれに対するリスクというのもあるので一概に時間だけでは測れないのですが、より一層、顧問先が要求している以上の事をしないといけないと改めて思いました。高報酬なところは、それに甘んじることなく、常に顧問先のあらゆる状況を予測してそれに対してアドバイスをしていくということを一層強化しなくてはなりません。

不採算なところも高収益のところも課題があることが分かりました。工数管理をやらなかったら、そこまで気が付かなかったのでこれからも続けていきたいと思います。

工数管理2

本年から自分の事業について工数管理をやっています。具体的には顧問先を1件1件登録して、また、売上も分解して分けます。毎日、朝来てから帰るまで①どの顧問先の②何の仕事を③どの位したか。を一日のスケジュール管理をします。

例えば①A社の②月次訪問資料の作成を③30分やった。という具合です。②は売上に紐付けて管理します。大きく分けると税理士事務所の売上に係る仕事なのか。コンサル法人に係る仕事なのか。そして売上には紐付かないが事務所運営に係る仕事(例えば振込業務やメールチェック、事務所通信の発送業務など)なのか。大きく3つに分けながらそれをさらに細分化します。この細分化は各事業の売上の補助コードを意識して分けました。全体的に色の指定もできるので、税理士事務所は緑色系、コンサル法人は青色系、事務所業務はピンク系で分けました。

何ヶ月かすれば、どの顧客にどの位の時間がかかっているか分かります。不採算なところはやり方を変えることを考えなくてはいけません。高収益なところはより一層サービスの向上を目指す必要があります。

この管理をして一番変わったのは自分自身です。今までダラダラ仕事をやっていたわけでもありませんが、折角顧問先からいただいた時間をいかに効率的に活用するかもの凄い集中して仕事をしています。集中しすぎて周りの音が聞こえなくなるほどです。顧問先からいただいた時間を大事にするようになりました。しばらくやってみようと思います。


週末に顧問先の新年会がホテルで行われたので着物にて行ってきました。スタッフの勤続20年表彰、10年表彰なども行われ、同じところで10年も働いたこともない私は改めて顧問先の偉大さを感じた新年会でした。