2011年映画鑑賞

今年は映画を44本観ました。その中で最も印象が残った私の好きな映画「BEST3」はこの映画です。

1位 八日目の蝉・・・2011.5.3のブログに載せた作品です。ブログにも書きましたが何しろ号泣もので女性の生命力というか力強さをまざまざと感じた作品でした。

2位 RED・・・これは今年の2月に観ましたが、2月のブログにはジーン・ワルツを書きました。なので感想は書いていません。。REDとはRetired(引退した)Extremely(超)Dengerous(危険人物)の略で、ズバリ全く期待しないで観に行った映画です。年金受給者が暴れる映画くらいにしか思っていませんでした。主演のブルース・ウィルスはじめモーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、ブライアン・コックスなど魅力溢れる人間味のある人たちが沢山出てきます。特にその位の年代で唯一の女性ヘレン・ミレンの何とスタイルの良さとカッコよさに惚れ惚れした映画でした。こんな風に年を経たらどんなに素敵だろうと思わせてくれた映画でした。

3位 ワイルド・スピードMEGA MAX・・・2011.10.21のブログにも書きましたが、気分爽快になる映画でした。これも人間味の溢れる人たちが沢山出てきます。

来年も沢山の映画を観てブログに載せるつもりです。

受動喫煙防止対策助成金

平成23年10月1日から受動喫煙防止対策(注1)をした事業主(注2)については、喫煙室の設置等に係る費用の1/4(上限200万円)の助成金を受けることができます。そのためには、都道府県労働局労働基準部健康安全課に申請書等を提出することが必要です。

(注1)①一定の要件を満たす喫煙室の設置をした場合
②喫煙室以外には受動喫煙を防止するための換気設備の設置等の措置をした場合

(注2)労働者災害補償保険の適用事業主であって、旅館業、料理店又は飲食店を経営する中小企業事業主であること(料理店又は飲食店は、常時雇用する労働者の数が50人以下又はその資本金が5,000万円以下、旅館業は、常時雇用する労働者の数が100人以下又はその資本金が5,000万円以下である事業主)

例えば、上記の対象となる事業主が喫煙室を900万円かけて設置したとします。
900万円×1/4=225万円>200万円 ∴200万円
この場合200万円が助成金となります。
設置費用が720万円だったら、720万円×1/4=180万円<200万円∴180万円
この場合は180万円が助成金となります。

注意点としては、工事をする前に「受動喫煙防止対策助成金関係工事計画」を所轄の都道府県労働局長に提出し認定を受ける必要があるということです。

ゲーム論(パレート最適)

パレート最適とは、ナッシュ均衡のように自分のみを動かすのではなく、全体の状態を動かしてもいいとする考え方で、簡単に言えば全体合理性を考えた概念です。2011.8月のゲーム論(囚人のジレンマ)のブログ
http://www.hy-tax.com/blog/2011/08/post-100.html
の図でいくと、パレード最適はどのパターンでしょうか?

前回お話したナッシュ均衡は自分のみの損得を考える非協力ゲームなので、自白と自白がナッシュ均衡となります。

しかし、パレート最適は全体合理性を考えた概念、つまり双方は協調することになります。したがって、黙秘と黙秘がパレート最適ということになります。

厚生労働省税制改正要望(医療法人関係)

平成24年度の税制改正において厚生労働省は様々な要望(医療、年金、たばこ、雇用、子供等)を出しています。その中で特に医療法人に重要な要望は以下5つです。①社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置の存続 ②医療継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の創設 ③社会医療法人に対する寄付に係る寄付金控除等の創設 ④研究開発税制(増加型・高水準型)の恒久化 ⑤社会保険診療等に係る消費税のあり方の研究

①は医療法人は株式会社等に比べ事業税が少ないです。なぜならば社会保険診療報酬は事業税法上非課税となっているからです(法人税法上は課税です)。また、医療法人は特別法人なので普通法人(株式会社等)より400万円を超える所得については税率が少し優遇されています。これを廃止する動きが一部でありますが、存続させるべきという意見です。私の意見も同様です。ただでさえ民間医療法人は公的医療機関に比べ税金の負担が多く同じ土俵で戦っていないのです。これ以上公的医療機関に差をつけるのは不遇すぎます。

②については、持分あり社団医療法人の出資者に相続が起こった時に3年以内に持分なし社団医療法人に移行すれば、出資にかかる相続税が猶予されることを要望するものですが、これが通ったところで相続税法第66条4項のみなし贈与の問題は消えません。医療法人は事業承継税制の対象外なので、今後も相続に関しては問題が山積みです。

③と④については当然の要望です。こちらは要望しないと認められないので自己主張が大切です。

⑤については、消費税創設以来の医療法人消費税損税問題の見直しです。今後税率が上がってくるのでますます重要な問題となります。社会保険診療報酬を課税にすれば損税問題はなくなりますが、おそらく医療法人の不満は増えると思います(消費税の納税額が増えるから)。社会保険診療報酬について、非課税ではなく0%課税か免税にすれば、条件としては1番良いのですが、これも難しいでしょうね。免税は今のところ輸出免税等しかありませんので、そこに医療だけいれるのはどうかと思います。0%課税というのは今のところありませんが、次の消費税改正で入れることができれば医療法人にとっては安泰です。

1級FP技能士

1級FP技能士は正確には、ファイナンシャル・プランニング技能士1級というらしいです。日本FP協会のAFP・CFPとの関係を聞かれることがありますが、AFP・CFPは国際資格で、2級FP・1級FPは国家資格(技能士)です。レベル的にはAFPと2級FPが同等で、CFPと1級FPが同等ですが、ややAFP・CFPの方が難しいと言われています。

1級FPは学科試験と実技試験がありますが、CFPを持っていると学科試験が免除になるので、実技試験の合格だけで、1級FPを取得できます。私はCFPを持っていたので実技試験だけ受けました。1回目の試験で合格しましたが、私が合格した時(2008年9月)の実技試験の合格率は75.6%でした。学科試験の合格率は10%~15%なので、CFPを取ってから受験すると楽に合格できます。

勉強方法は独学です。CFPの試験にかぶっているのでCFPのテキストの見直しと過去問を何回か解きました。CFPの試験でいうとライフプランニング・リタイアメントプランニングの問題が中心だったように思います。合格証書は厚生労働大臣の名前で受理されるので、ちょっと嬉しいです。

通勤手当の改正

電車や車で通勤している人は通勤手当というのを支給されている場合が多いと思います。
電車であれば実額(定期券等の金額で最高10万円までが非課税、それを超えると課税です)、車や自転車で通勤している人は、通勤経路に沿った自宅から勤務地までの片道の距離に応じて非課税枠が決められています。
その金額は次のとおり
2㎞未満・・・0円
2㎞以上10㎞未満・・・4,100円
10㎞以上15㎞未満・・・6,500円
15㎞以上25㎞未満・・・11,300円
25㎞以上35㎞未満・・・16,100円
35㎞以上45㎞未満・・・20,900円
45㎞以上・・・24,500 円
なお、15㎞以上で運賃相当額がその金額を超えるときは、その運賃相当額になりますが、上限は10万円となります。

車で通勤している人は上記の金額と通勤定期券の金額と比較して有利な方を採用できる特例が平成24年1月1日以後に支給される通勤手当から廃止となります。

例えばAさんは健康も兼ねて自宅から勤務地までの16㎞を毎日自転車で通っていました。通勤定期券だと15,000円です。今までは通勤手当を15,000円貰っていたとしても全額非課税(所得税法上課税の対象とされない)でしたが、来年以降も15,000円貰ったら、15,000円-11,300円=3,700円については、給与の一部とみなして課税対象となります。お気を付け下さい。ただ、私の周りの状況を見ていますと最近では実額運賃までしか支払わないという法人が多いような気がします。

マネーボール

アスレチックスのゼネラルマネージャーのビリーは、元メジャーリーガーでした。彼は「チームには金を持っているチーム、貧乏のチーム、その下がクズ、その下がこのチームだ」と言い、せっかく育てたチームのエースを次々と他の球団に3倍の報酬で取られてしまいます。

野球チームは初めから不平等なのです。その中で勝つためにエール大学経済学部卒業のピーターの統計を基に評判が悪いが出塁率の高い選手を集め勝利に導いていくお話です。

それは統計を取って割安株を探すのとよく似ていました。故障者、高年齢、遊び人、評判は悪いが出塁率の高い人を次々とトレードします。勿論ベテランスカウトマン達は大反対。野球は統計じゃない。長年の経験と実績だと猛反対です。それでもGMであるビリーはそれらの反対に屈せず推し進めます。味方はピーターだけです。

やっとのことで希望選手をお買い得価額でゲットしますが、今度は監督が思うように動いてくれません。メンバーは自分が決めると言い張るのです。故障者で元キャッチャーだった選手を1塁に守備させるように頼みますが、あいつは1塁は無理だやったことがない。と言って違う選手を1塁に守備させます。そうやっているうちにアスレチックスは連敗を重ねます。ビリーの作戦は間違っているとマスコミやメディアで叩かれます。ビリーは強硬手段に出て1塁の守備選手をトレードしてしまいます。他にいないので仕方なくビリーのお勧め選手を1塁にします。その後さまざまなトレードを繰り返し、実際の契約金は安いが統計上の数字(例えば出塁率など)が良い選手を集め次々に勝利していきます。

先日のカテゴリー本2011.11.23で「任せる技術」の中にもありましたが、1人のスーパーマンを求めるのではなく、3人でスーパーマンになるようなチーム作りをしたのです。スーパーマンは高いのでゲットできません。また、折角スーパーマンに育てても、高い報酬で他のチームに取られてしまいます。それならば、複数人で完成するようなチーム作りです。資金や知名度が低い中小企業の経営のようなものです。

この映画にはもう一つ山がありますが、それは観てからのお楽しみ。。物語のような実話です。落胆と喜びが波のように次々と襲ってきます。喜びより落胆の部分の方の描写が多くとても胸が痛く、苦しくなりました。

任せる技術



タイトルを聞いてドキっとした方多いのではないでしょうか?私もそうですが、中小企業の社長や医療法人の理事長など、仕事を他の人に任せられない人が多いです。なぜなら、自分でやった方が早くて確実。教えるのはとても労力がいる。自分が思ったような結果にならない事が多い。やらせるには、まだ早い。など、理由付けはいくらでもあります。そう。任せられるのは技術なのです。任せられないのは技術がないから・・・自分を含めて反省です。この本の中で特に心に響いたものをいくつか紹介します。

1.無理を承知で任せる・・・できるようになってから任せるのではなく、任せるからできるようになると考える。
2.作業でなく責任を任せる・・・ 人は責任を負い、責任を果たすことで成長する。だからといって放ったらかしにしてはいけない。
3.任せると伝える・・・任せるといって自分流を押し付けてはいけない。任せると言う事は自分と違うやり方も受け入れるということ。
4.自分に矢印を向けるように指導する・・・「目標達成ができないのは不景気のせい」「期限内に提出できないのは仕事量が多いから」「チーム達成率が低いのは人事部が人員を補充してくれないから」このようにすべては相手が悪いと思っている人は成長しない。問題をすべて他人のせいにすることで自己正当化するようにさせてはいけない。問題は全て自分が変わる必要があるということを理解させる。
5.口出しを我慢する・・・これはかなり根気がいることですが、じっとこらえて我慢する。魚を与えるのではなく取り方を教えるということ。
6.定期的なコミュニケーション・・・上司からレベルの高い仕事を任されてストレスにさいなまれている部下にはどうしたら良いだろうか。技術的なアドバイス?励まし?叱責?そうではなく、この本では存在承認(アクノリッジメント)が必要だと言っています。達成したら誉める、しなければ誉めないという成果承認だけではなく、存在を認めて見守っているということを言葉で表すということです。これって、映画のカテゴリー「インビクタス 負けざる者たち」2010.3.23ブログのネルソン・マンダラ大統領の手法だと思いました。
7.スーパーマンを作ろうとするな・・・任せたいけど任せられる部下がいないよ。と嘆くのではなく、組合せのマッチングをうまく利用する。

任せる技術・・・必要ですね。。

ゲーム論(ナッシュ均衡)

ナッシュ均衡とは、自分以外のプレイヤーが均衡点の戦略を取る時、自分もそれを取らないと得にならない。という状態のことです。それは互いに最高の努力をしているという状態なのですが、下記の3つの注意点があります。

1.片方だけが最高の状態ではだめです。
2.自分だけがずれても、自分の得にはなりません。
3.自分がずれると、他人の得点が上がる場合が多いです。

非協力ゲーム(プレイヤー同士が協力し合わないゲーム)では少なくとも1つのナッシュ均衡点が存在するといわれています。その点で非協力ゲームの基礎理論としてナッシュ均衡は存在します。

囚人のジレンマはナッシュ均衡の代表例です。

エシカル消費

エシカル消費とは、倫理的に正しい消費のことをいいます。最近の消費者の間ではCSR(企業の社会的責任)を重視する人が増え、ただ安いだけの消費ではなく、社会的にためになる消費をしようとする傾向があります。例えば売上の一部を義援金にしますというのはその最たるものでしょう。

最近はインターネットが普及し、価格が低いものを探そうと思えばいくらでも出てきます。この前、私の顧問先ではありませんでしたが、町の印刷屋さんのお話を聞きました。近くの同業者が景気が悪い(赤字が続く)や後継者不足でどんどん潰れていって、自分の工場に注文が殺到しているので夜も寝ずに働いているが、単価が安くてやればやるほど赤字になると言うのです。8,000円位の注文で印刷ミスをして紙代の損害を補償して40,000円支払ったという話もされていました。町工場で夫婦2人でやっているような感じでした。

睡眠不足で死にそうになりながらやって、やればやるほど赤字だなんて・・・もしかして、自分の会社の損益分岐点や1つ当たりの原価も把握せずに注文があれば、やみくもにやっているのではないか。と思いました。

100円でものを仕入れて、90円で売ったら、赤字になることは明白です。でも製造業ですと、30円で材料を仕入れて90円で売ったら一瞬黒字になるような気がしますが、実際はそれに加工賃や人件費やそれに伴う付加価値に対して経費がかかります。その経費が80円かかるとしたら、90円-(30円+80円)=-20円 つまり1個当たり20円の赤字です。そうやればやるほど赤字なのです。顧問税理士はちゃんとそのことを伝えなくてはいけません。

このような法人は1個当たりの原価を把握させ、○○円以下では注文は取らないと断る勇気が必要です。このように採算無視で注文をどんどん取る法人が増えると、採算を考えてわずかな利益を取る法人の注文も取られてしまいます。そろそろ激安重視の消費はやめ、エシカル消費に移行する時かもしれません。