コンサルタントというもの5

手法は100万通りある。戦略・戦術・計画・マーケティングなど、何かを始めるためには必ず手法が必要である。ただ、すべての手法は相対的、一時的なものであり、絶対的な不変の手法はない。状況や相手によって最善の手法を選択して試してゆく。そして手法は100万通りあり、いかなる状況であっても無限に考えだすことができる。

多くの人は、妙案を探し求めるが妙案なんて存在しない。すべての手法は、最善策を選択するのみで、やってみないとわからないものである。つまり、やってみてうまくいかなければ、改善するという作業を繰り返す以外ない。手法は考えれば考えるだけ出てくるもので、確率を高めるために数を出すこと、それが妙案。行き詰ったという人の大半が、過去のやり方をやっている。そして、過去のやり方にこだわる人ほど行き詰る。そうではなく、新しいやり方を探せば良い。

オリンピックの世界新記録、当時は最高と思われたものが時間が経つと記録を塗り替えるものが出現する。それと同じ、今最高最善と思われていても、少し経つと常識になり、ゆくゆくは過去のやり方、となる。

人間には不可能はなく、世界記録はいつか必ずやぶられる。

だから、改善できないものはない。どんな仕事でも、どんな効率の良い仕組みも技術も、全て改善できる。今の仕事、1/10の労力で10倍の結果を出すことだってできるはず。今と違うやり方を考えたら、1日で稼げる金額は1億円にも10億円にもなりえるだろう。

例えば、チラシの書き方を工夫するだけでも売上を増やせる。キレイなチラシでなくても、誠実な人柄が読み取れるチラシ、それだけで注文する人がいるのである。電話の受け方一つでも信用が得られ、それが売上につながる。いかにあきらめないで自立型の姿勢を発揮できるか。

自立型人材とは、いかなる環境・条件においても、自らの能力と可能性を最大限に発揮して、道を切り開いていこうとする姿勢。ポイントは2つ

1.おかれている環境・条件は一切関係ない。
2.そこで自分ができることを全力でやっているということ。

そう。人には無限の可能性があるのです。

相続税(養子の取扱い2)

前回の税務のカテゴリーで養子の取扱いについてお話しました。養子についてもう少し追加してお話したいと思います。

まず、前回、養子は実子がいれば1人まで、実子がいなければ2人まで基礎控除等の対象となる法定相続人の数にカウントされるというお話をしました。実は養子の中でも、実子とみなされる養子というのが存在します。つまり、養子なのだけれど実子と同じ扱いになるので先ほどの養子の数の制限を受けない、つまり、実子と同じ扱いの養子です。それは

1.特別養子縁組をした養子・・・通常の養子縁組は普通養子制度です。特別養子制度は普通養子制度と違って、実の親との縁を断絶することや、養子とされる者は原則6歳まで、養子となれる者も25歳以上の婚姻中の者などという制限があります。

2.配偶者の連れ子で被相続人の養子となった者・・・こちらは普通養子で構いません。再婚した者に連れ子がいた場合の血が繋がっていない方の親が養子にした場合、実子と同じ取扱いになります。

3.被相続人の実子又は養子の代襲相続権を有している者・・・つまり、代襲相続人の地位にある孫のことです。こちらはもともと相続権があるので、あえて排除しません。

以上が実子とみなされる養子です。これらの者は養子の数の参入制限の対象となる養子から除外されます。なお、法定相続人の数に関する規定で養子の制限をを受けるものは次の規定になります。

1.基礎控除の額および法定相続人の数に応じた相続分
2.生命保険金等の非課税金額の計算における非課税限度額
3.退職手当金等の非課税金額の計算における非課税限度額

富裕層世帯に多い養子制度ですが、上記の養子については、相続税の節税を考慮した養子制度でないことからも税金についても考慮しましょうという感じです。

TPPと医療2

アメリカには通商代表部(USTR)という組織があり「外国貿易障害報告書」というものを作成し、各国に改善を求めています。昨年までは医療に関し、「混合医療の全面解禁」と「株式会社による医療機関経営の参入」を訴えてきました。ところが今年になって、「新薬創出加算の恒久化」と「市場拡大再算定ルールの廃止」に変わったのです。

「新薬創出加算」とは、正式には「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」といいます。簡単に言うと、医薬品会社は薬の開発に多額の試験研究費を投入しています。ですからこの薬の特許が切れるまでの期間で後発医薬品(ジェネリック)が出ていないものについて一定の要件を満たすものは、新薬の価格を維持するというものです。これは医薬品会社の保護に当たり、医療法人にとっては薬価差益はほとんどありません。この加算制度は試験的に行われているもので、それを恒久化してくれというのがアメリカが言う要望です。

「市場拡大再算定ルール」とは、特定の医薬品が当初予定されていた市場規模の2倍以上、かつ150億円超になった時、最大25%薬価を引き下げるというものです。そのルールを廃止せよ。というのがアメリカの要望です。

いかがですか?これは二つとも医薬品会社の保護を求める要求でありますが、それとともに、医療法人の経営および健康保険制度の財源を脅かします。

日本の医療法人制度は頑固たる株式会社参入を拒否しています。その硬い壁を崩すのは医療法などの法律を変える必要があり困難です。それに比べ薬代の価格維持を求めれば、国内医薬品会社の保護を図るという観点からも入りやすいのです。

しかし、この制度は医療法人の経営悪化をジワジワと浸透させ、健康保険の財源も脅かします。兵糧攻め作戦のように感じるのは私だけでしょうか。

強引に参入するのではなく、医療法人の経営が悪化して医療を診れる施設がなくなってきたから、もしくは、健康保険制度の財源が底をつき崩壊するから、(仕方なく)参入する(という建前)に変わっただけではないでしょうか。

4月からの消費税の改正にあたり、薬価差益のほとんどない薬品に消費税が8%もかかって、それが医療収入に転嫁されなかったら、医療法人の経営は相当ダメージを受けます。諸外国の動向も今後は見ていく必要がありますね。

資格より大切なもの

カテゴリー資格を見てくれる読者が多いことを承知でお話します。私は何個かの資格を有し、それを効果的に使ってきました。何かの勉強をして、それがある程度の能力に達したことを証明してくれるのが資格です。でも資格だけじゃダメなのです。

例えば、顧客に有効な相続・事業承継のアドバイスを求められたとします。一番効果的で節税になる方法をです。税理士として一番納税額が安くなるアドバイスをする。これでいいのでしょうか?遺族の誰に何を残すかは重要な事です。本人の想いというものが必ず存在します。節税より何よりそのことが重要です。その想いを汲んだうえで、言い方を変えればその想いを逸脱しない範囲内でベストな方法を考える。または、相手が知らない可能性を示唆して色々な選択肢があるということを知らせる。ということが重要です。

人は何だかんだ言っても節税より残された人が幸せになることを願っています。ですから、時には資格から得た知識より、相手の心を汲み取る能力の方が大事な時もあります。でも、そればかりだと詐欺師のコンサルタントのようになってしまいます。

要は、実力も兼ね備えた上で想いも汲み取る力が必要です。そのためには日々勉強です。常にバージョンアップをしなければいけません。資格を取ったものの課せられた使命です。一生勉強です。その覚悟がなければ資格を取る意味もないのです。

かぐや姫の物語

童話かぐや姫は知らない人はいないと思います。でもはっきり覚えていますか?

私の記憶だと、おじいさんとおばあさんが山に住んでいてあるとき、おじいさんが竹やぶで光る竹を見つけて切ってみると中に可愛い女の子がいて、家に連れて帰り大事に育て美しく成長するも、ある時月に帰ってしまうという話の程度しか覚えていません。

映画のポスターの副題は「姫が犯した罪と罰」です。何とも斬新で興味深いサブタイトルでしょう。かぐや姫は実は月で大罪を犯し、地球に島流しにあって無事刑期を終えて帰って行く話なのかと妄想してしまいました。

ところがその妄想もむなしく何故地球に着たのかは分からずじまいで、なんだこのサブタイトルは・・・という感じです。

私の記憶にない、おじいさんたちに拾われてから月に戻るまでが丁寧に描かれています。サブタイトルのようなブラックなイメージは全くありません。

まだ、公開されたばかりなので内容は言いませんが、観終わった後の感想としては、(映画に直接関係ないかもしれないけど)日本は四季がありその四季を感じられるこの国に生まれたのは幸せだなぁと思ったこと。幸せとは生活の豊かさではなく、心の豊かさなのだと思ったこと。そして、過去の悲しい出来事や苦しかった出来事でさえ、幸せを感じる要素なんだと思ったこと。もっと分かりやすい言葉でいうと、辛い思いや悲しい思いがあるからこそ、幸せだという思いが倍増するということ。当たり前で平凡な生き方の中に実は幸せは潜んでいてそれに気付ける感受性があれば、きっと幸せなんだと思ったこと。

まぁ私の感想はかなりレアケースだと思います。。この映画は1人で観に行きましたが、右隣の若いおねえさんも一人、左隣の若いおにいちゃんも一人で観に来ていました。そして二人とも泣いていました。

話の内容も童話だし、特にこれといった謎のようなものもない映画ですが、何故か不思議な感覚の映画でした。コーチングを受けているような・・・この映画を見て私みたいに映画とは直接関係ないことを感じたりする人も多いのではと思います。ほんわりした気持ちになれる映画でした。

心のなかの幸福のバケツ



この本は、「バケツとひしゃくの理論」を基にあれこれ展開しています。まずは、その理論を紹介します。
人は誰でも心にバケツをもっている。他人に何かを言われたり、されたりするたびに、このバケツの水は増えたり減ったりする。バケツの水がいっぱいのときは、気分がいい。バケツが空になったとき、気分は最悪だ。
バケツのほかに、ひしゃくももっている。ひしゃくを使って誰かのバケツに水を注げば(相手が明るくなるようなことを言ったりしたりすれば)自分のバケツにも水がたまる。逆に、ひしゃくで相手のバケツの水をくみ出せば(相手を傷つけるようなことを言ったりしたりすれば)自分のバケツの水も減る。
なみなみと注がれたカップとおなじように、心のバケツに水がいっぱい入っているとき、人は前向きで意欲にあふれている。バケツに水が一滴、注がれるたびに、人は強くなり楽観的になる。逆にバケツが空のときは、後ろ向きで元気がなく、意欲も低下している。バケツの水をくみ出されるたびに、人は傷つく。
人はみな、日々あらゆる場面で選択を迫られている。自分とかかわる人の心のバケツに水を注ぐのか、それとも水をくみ出すのか。これは重要な選択だ。まわりの人との関係や生産性、健康、そして幸福に大きな影響を与える選択なのだ。

いかがでしょうか?いわゆる鏡の法則ですね。自分が変わらないと相手も変わらない。自分が良い方向に変われば、自分の周りの人にも影響するのです。逆もしかり・・・

人は他人との接触なしには生きていけません。自分の周りの環境を良くしたいのであれば、まずは自分が理想的だと思える行動をとり実施すれば自然に周りがそれに感染していきます。だから幸せだと思っている人の周りには、幸せだと思える人が集まり、不幸だと思っている人の周りには不幸な人が集まるのです。自分が変われば、変われますよ。

医療関係職種の登録免許税還付請求

医師、歯科医師、薬剤師等医療関係職種の免許を有する方は、厚生労働省等に備える籍(名簿)の登録事項(氏名、本籍地の都道府県名等)に変更が生じた場合は、籍(名簿)の訂正を申請する必要があります。例えば婚姻などをして苗字と本籍地が変わったとします。すると、苗字の変更で1件1,000円、本籍地の変更で1件1,000円の登録免許税がかかっていました。ですから結婚などをすると2,000円の登録免許税がかかったのです。

この度、国税不服審判所より「1通の申請書により、1つの資格に係る登録事項の変更を受ける場合の登録免許税の額は、変更の登録を受ける登録事項の数にかかわらず千円となる」旨の裁決がなされました。従って、過去に変更が生じて1回に付き1,000円を超える登録免許税がかかった場合、還付を受けることができます。ただし、還付は請求をしないと還付されないので還付請求をする必要があります。また、無制限に遡れるわけでなく、訂正登記を完了した日から5年を経過する日までが期限となります。該当する方は下記のホームページを参照のうえ期限までに請求して下さい。また、医療法人においてそのような負担をしていない場合においてもスタッフに回覧するとよいでしょう。http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/2012/06/tp0612-1.html

創業補助金

税理士吉田久子事務所は、関東財務局長・関東経済産業局長認定の認定経営革新等支援機関に認定されました。今日は創業補助金についてお話します。只今、地域需要創造型等起業・創業促進事業の創業補助金の受付期間です。12月24日が締切日ですのでお急ぎください。詳しくは中小企業庁のHPを参照下さい。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sogyo/2013/130919Chiiki.htm

補助金の額は地域需要創造型起業・創業の場合は経費負担の2/3(上限200万円)です。第二創業の場合は経費負担の2/3(上限500万円)です。海外需要獲得型起業・創業の場合は経費負担の2/3(上限700万円)です。該当しそうな方で起業を考えている方は是非活用下さい。

起業する際などは、様々な補助金や助成金があります。それは、経済産業省や中小企業庁、厚生労働省のHPから探すことができます。沢山の補助金や助成金がありますのが、ほとんど適用要件があります。それは、年齢だったり、職種だったり、雇用が要件だったりします。それに受付締切日もありますので要注意です。

条件に合った補助金や助成金を見つけて起業の助けにすると良いですよ。また、区役所や市役所でも独自の助成金を打ち出すところもあります。起業を考えている方は、補助金や助成金を活用して賢く起業しましょう。

コンサルタントというもの4

明確な目標を持つ。例えば、「良い会社」「明るい会社」という漠然としたものを目標にするかぎりいつまでたっても達成できない。目標は具体的な行動レベルにまで落とすことが大事。例えば先ほどの例で言えば、「毎日みんな10回の感謝の言葉をいう職場」や「笑顔であいさつする職場」など、具体的に誰でも実行できるものにする。

よく言われる「幸せな家庭」は実現がとても難しく、そういったものは例えば「ご飯を食べるときに美味しいと10回言う家庭」のようにする。

具体的に決めることが大切。社風は定義する。
社員がどんな言葉を使うか、社員がどんな気持ちで仕事をするか、トラブル・クレームに対してどんな考え方で、どんなふうに最高の結果を出すか。究極の社風を作ると実現してゆく。目標というのは社風までしっかり具体的に定義すること。目標が明確だと行動できるから。但し、数字は目標にならない。(売上目標など)それは、結果。その数字を達成する社風とはなにか。その数字を達成するための具体的な計画とは何か。全て、行動言葉まで、行動だけでなく、言葉まで決める。

夫婦間でも会社内でも、例えば「問題が起きた時は笑顔で抱き合う」ということをルールにする。決めることで実現してゆく。笑顔で抱き合ってから話し合いをすれば、何となく乗り越えられそうな気がしませんか?

相続税(養子の取扱い)

前回、前々回の税務のカテゴリーでは、相続人、法定相続人のお話をしました。その中で養子はどうなるの?という質問を受けたのでお答えします。民法上は何人でも養子にすることはできますが、相続税法上は実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人までが基礎控除等の対象となる養子となります。

つまり、養子がいれば、法定相続人の数が1人もしくは2人増えることになります。では、孫を養子にしたらどうでしょう?孫を養子にしたら、孫も子供になりますので、法定相続人の数が1人増えて基礎控除等の額がUPします。

ここで注意点を一つ。「孫の親、つまり、被相続人の子供(A)」が亡くなっていたら、もともと孫は代襲相続人になりますので、孫を養子にする意味はありません。(この意味がないというのは、基礎控除等の対象となる法定相続人の数を増やせないという意味ですが、その他の効力、例えば当人の法定相続割合を増やす効果はあります)。(A)が生きていて、孫は本来法定相続人でないから、孫を養子にして法定相続人にすることに意味があるのです。

しかし相続税には二割加算という規定があります。

二割加算とは本来の相続税に2割UPして相続税を課税するというものです。2割加算の対象者は①②以外の者です。
①一親等の血族(父母または子)
②配偶者
①の子には子の代襲相続人は含まれます。
①と②は2割加算がなくてその他の人は2割加算があるということです。ですから孫は代襲相続人であった場合は、2割加算されませんが、代襲相続人でない孫は2割加算になるのです。
孫で ない養子は純粋に子になりますので、2割加算の対象にはなりませんが、孫である養子は2割加算の対象になるというのがポイントです。これは孫の親(A)が生きているのに、孫を養子にしてまで相続させるというのは、相続を1つ飛び越えるのと同じだから2割加算しますということを意味します。

相続財産が多額で基礎控除を様々使える内容の相続でしたら基礎控除をUPさせることは意味がありますが、相続財産がそれほど多くない場合などは2割加算部分があるのであまり節税効果がない場合もありますので要注意です。